ドイツ・サッカー協会の副会長を務めるフランツ・ベッケンバウアーは、出場機会を与えられずに不満を露にしているアーセナルのドイツ代表GKイェンス・レーマンに対し、指揮官のアーセン・ベンゲル監督を敵に回すべきではないと語った。

 今シーズン開幕直後の不調とケガで正GKのポジションをスペイン人のマヌエル・アルムニアに譲っているレーマン。ドイツ代表ではゴールマウスを守り、ユーロ2008本大会の出場権獲得にも貢献しているこのベテランGKは、時折ベンチ入りメンバーからも外されるアーセナルでの処遇について、「このまま黙って立ち去るつもりはない」と語り、ベンゲル監督との対立姿勢をみせた。

 このレーマンの態度についてベッケンバウアーは、指揮官のベンゲルと争っても勝ち目はないと警告。「今は我慢の時期」と、ドイツ代表正GKにチャンスを待つようアドバイスを送った。

「レーマンが今の態度を続けるようだと、冬に別のクラブへ移籍することになるだろう。ベンゲルがあのような態度を許すはずがないからね。レーマンは間違いを犯している。ベンゲルと対立すべきではないんだ。レーマンに勝ち目はないんだから。ベンゲルはフェアな監督だ。調子を落としているだけで、すぐに放出することはないだろう。だからこそ、レーマンにとって今大事なのは我慢すること。そしてチャンスを待つしかない」

 ベンゲルへの不満をメディアで語り、チームメイトのアルムニアについて「まだまだワールドクラスのレベルではない」と語るなど、アーセナルでの立場を自ら難しくしているレーマン。37歳の大ベテランは、“皇帝”ベッケンバウアーの助言を聞き入れて、再びアーセナルでのポジション獲得に全力を尽くすことが出来るだろうか?