24時間営業店に「マック難民」が押し寄せる

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   「マック難民」という言葉が誕生した。ハンバーガーショップ「マクドナルド」の24時間営業店舗に「寝泊り」する人々のことで、多くは日雇い労働者風男性だが、高校生などの若年者もいる。「アパートが借りられずマンガ喫茶に寝泊りしていた人達が、単価の安いマックへ移った」という背景もあるらしい。マクドナルドも対応に困っている。

店舗が24時間営業に変ってから、増え続ける

   日本マクドナルドホールディングスは、06年春から24時間営業店舗の展開を始め、07年5月には全国で900店舗へと拡大する計画だ。今のところ24時間店舗は好評なようで、07年2月9日の朝日新聞には、「8日発表した06年12月期連結決算は、売上高が前期9.2%増の3,556億円だった。24時間営業店が増えて客層が広がったことや、『サラダマック』などの単価の高い商品の投入効果が出た」

   と書かれている。しかし、困った問題も起きている。店内で寝泊りする「マック難民」だ。

   神奈川県にある「マクドナルド」の店員は、J-CASTニュースの取材に対し、「マック難民」についてこう話した。

「店舗が24時間営業に変わってから、コーヒーなど単価の安い商品を注文するだけで一夜を明かす人が増え続けている。店側はその対策として午前2時から4時までの2時間を清掃の時間にして『宿泊』できないようにしたが、それでも毎日10人ほどの『マック難民』が来店する。一度店を出て午前4時に戻ってくるお客もいる」

   この店の「マック難民」は、日雇い労働者風の男性が多いが、中には高校生風の女性もいて、何日も続けて通ってきたため警察に通報。保護してもらったという。

   同店の近くに住む20代の男性サラリーマンは、マンガ喫茶で一夜を過ごす日雇い労働者風の男性の数がめっきり減ったことに気付いた、という。

「マックで一夜を過ごしている人と、マンガ喫茶で寝ていた人の風体が似ているため、マンガ喫茶からマックに流れて行ってるんだと思う」

   J-CASTニュースは07年3月25日付けで「『ネットカフェ難民』とは『隠れたホームレス』だ」と報じた。この中に出てくる、「日雇い派遣」などで働くものの、低賃金のためアパート代も払えず、インターネットカフェで寝泊まりする人たちが、より安く過ごせる場所として「マック」を見つけたようなのだ。

「深夜のお客さんの2〜3割がホームレスの方々」

   ブログでも「マック難民」について書く人が増えている。

「夜のマクドナルドは、マクドナルドという名のドミトリーと化していました。みんな、ドリンク1杯で宿泊しすぎです」
「マクドナルドへ行って、ずっと本を読んだりポッドキャストを聴いて朝を待ちました。親からの電話等は完全無視で過ごしました。深夜のマックは流石に女の子なんていないですよ。日雇い労働のよな仕事をしていらっしゃるおじさん達がホテルの代わりに使っているんですね」
「渋谷の某店などで、深夜のお客さんの2,3割がホームレスの方々だったりするのは、本当に勘弁して頂きたいです」
「あの老人や若者が、ネットカフェに泊まるお金すらなくてあそこにいたなら、同じ国に生きてる人間として、なんだか悲しい」

   日本マクドナルドはこの状況をどう考えているのか。J-CASTニュースが広報に取材したところ、ネットで言われているような「マック難民」についての認識は無いようで、

「寝ている人がゼロとは言いませんが、24時間営業の店舗については巡回していて、寝ているお客様についてはお声がけしています」

   と話している。