JR東日本など3社が、「Suica」と各地域の交通系ICカードを1枚にまとめられる「地域連携ICカード」とその発行システムを開発します。

地域交通事業者の導入・運用コストが軽減

 JR東日本とソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ、JR東日本メカトロニクスは2018年9月25日(火)、「Suica」と各地域の交通系ICカードを1枚にまとめられる「地域連携ICカード」とその発行システムを開発し、2021年春の提供開始を目指すと発表しました。


「地域連携ICカード」の概要。地域交通での独自サービスに加え、「Suica」の乗車券機能や電子マネー機能を利用できる(画像:JR東日本)。

 日本国内では、2013(平成25)年からSuicaをはじめ交通系ICカードの「Kitaca」「TOICA」「ICOCA」「SUGOCA」「PASMO」「manaca(マナカ)」「PiTaPa」「はやかけん」「nimoca」の計10種類で全国相互利用サービスが提供されています。

 しかし、導入費用や運用面の課題などから交通系ICカードが導入されていない地域も存在。このことから、3社は導入促進のため「地域連携ICカード」を新たに開発するといいます。地域交通事業者はSuicaの既存インフラを活用しながら、その地域交通に必要なサービスの展開が可能。システム投資を抑え、運用に関する負担の軽減が可能になるとしています。

 今回開発される「地域連携ICカード」は、バスの定期券やポイント制度など地域独自のサービスと、Suicaエリアなどで利用可能な乗車券や電子マネーなどのSuicaサービスを、1枚のカードで利用できるようにするものです。

 JR東日本はこれまでのSuicaのノウハウを活用し、地域交通事業者による「地域連携ICカード」の導入をサポート。ソニーはSuicaに採用されている通信方式「Felica」に関する機能を拡張し、「地域連携ICカード」の実現に必要な技術開発に取り組みます。交通系ICカードの発行を担うJR東日本メカトロニクスは、新機能のICカードへの実装と試験、検証、そしてカード発行に関する設備開発を行います。