エアコンを使いつつ窓を全開にして走るのが効果的

 炎天下では、車内温度が50度超すことも珍しくない日本の夏。エアコンのありがたさが身に沁みるのがこの季節で、20世紀最大の発明のひとつといっていい。そのエアコンを効果的に活用して、車内をより早く灼熱地獄から極楽に変えるためにはいくつかのコツがある。

 まず、駐車中に上昇した車内の温度をいかに下げるか。車内に溜まった熱気をいち早く抜くには、エアコンのスイッチを入れるとともに、窓を全開にしながら走り出すのがベスト。エアコンは外気導入で、オートエアコンなら設定温度は25度ぐらいでOK。JAFのテストでは、55度の室内温度が5分で約半分の28度に下がる結果が出ている。熱気が抜けたと思ったら窓を閉め、エアコンを内気循環に切り替えて冷やすのがもっとも効率がいい方法だ。(快適な温度まで下がれば、AUTOモード+外気導入へ)

 またエアコンの吹き出し口の向きにも工夫が必要。もっとも暑いときは、冷気が直接人体にあたるようにするのもひとつの手だが、車内全体を早く快適な温度にしたいのなら、吹き出し口はやや上向きに調整しておくのがポイント。

 冷たい空気は上から下に、暖かい空気は下から上へと流れるので、エアコンの冷気が上の方に向かうようにすると、ひんやりした空気がきれいに循環するので効率がいい。なお、オートエアコンの設定温度は、必要以上に下げても無意味。

 どんなに暑いときでも、運転中の快適な温度=25〜27度ぐらいに設定しておけば、自動的に最大風量、最大冷気、内気循環となり最短時間で、設定温度に近づけるよう働いてくれるからだ。むしろ、温度調節ダイヤルをむやみに動かすと、かえって設定温度への到達時間が長くなることがあるぐらいなので要注意。

 ちなみに、エアコンを入れるとコンプレッサーが回るので若干燃費が悪くなるが、風力の大小、設定温度の高低はほとんど燃費に影響しない。燃費を優先して設定温度を上げても効果は期待できないので、ヘンに暑さを我慢せず、熱中症にならないよう快適な温度を設定しよう(目安は25度前後)。

 もうひとつ、エアコンのフィルターも汚れてくると風量を減らす原因になるので、定期的なメンテナンスが必要。メーカーでは、1年もしくは1万kmごとの交換を奨励しているので、毎年夏を迎える前、花粉のシーズンが終わるころに交換しておくことをオススメする。