中国メディアは、「中国人のスポーツ選手は日本国籍を取得する人が多いのはなぜか?」と問いかけた。(イメージ写真提供:123RF)

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 まもなく開幕する平昌冬季五輪。2020年には東京五輪も控えているが、五輪出場はスポーツ選手にとって重要な目標であり、なんとかして出場したいという気持ちは理解できる。そのためになら国籍変更もいとわない選手もおり、日本国籍を取得する中国人選手もいる。

 こうした現状を中国人はどう感じているのだろうか。中国メディアの今日頭条はこのほど、中国人のスポーツ選手は日本国籍を取得する人が多いのはなぜか、日本人で中国国籍を取得する人はいるのかと質問する記事を掲載した。

 これに対するネットユーザーからの回答には、意外にも批判的なコメントは見られなかった。中国国籍を取得する日本人はやはりあまりいないようで、日本国籍を取得した中国人については、「目標の達成のため」にそうするしかなかったのだろうと理解を示す内容が多かった。

 これには、中国におけるスポーツ選手の厳しい実態が関係しているようだ。一般に日本人が中国国籍を取得しても利点はないが、中国人が日本国籍を取得することの利点は多いという。あるユーザーによると、人口の多い中国では、ひと握りの選手を除き、ほとんどのスポーツ選手は十分な訓練も給料も受けられず、無理がたたって早期の引退に追い込まれるという。引退しても十分な報酬がないため、病気の治療もできないほどと嘆いた。

 日本国籍を取得したいから国籍を変える、というよりも「残酷な現実」を前にやむを得ず国籍を変えると認識されているようだ。スポーツ選手のことを気の毒にさえ感じているのが伝わってくる。このユーザーは、選手を責めることはできないが、根本的な問題を解決するには「スポーツ選手をもっと大切にする」ことしかないとした。

 国籍を変更するというのは大きな決断であり、単に五輪に出場したいからというだけの簡単な問題ではないのだろう。日本でも他国籍を取得して五輪に出場した選手もいるが、いずれにしても相当な覚悟で国籍を変更しているに違いない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)