渋谷の老舗『富士屋本店』で学ぶ！大衆居酒屋で知らなきゃ恥かく３つの掟
渋谷区桜丘に、他の飲み屋とは一線を画す居酒屋がある。その名は『富士屋本店』。よく言えばクラシカル、平たく言えば古びたこの大衆居酒屋は渋谷の飲兵衛の聖地として、愛され続けている。
この店の魅力と老舗大衆居酒屋でのマナーを、渋谷観光大使の肩書きを持つ、アーティストの小宮山雄飛さんに語ってもらった！
この渋い看板が楽園への目印。17時の開店時間になると、看板にネオンが灯る。この明りに吸い寄せられるように、どんどんと客が急な階段を降りて行く。
年配サラリーマンから、外国人観光客まで…このミックス感が魅力！
開店して30分経った頃の店内の様子。この賑わいを見るだけでも、人気店であるとすぐにわかるだろう。
常連と思わしき年配のサラリーマン、お洒落ハットをかぶった若者、店内を珍しそうに眺める外国人観光客…と客層は幅広い。
「この立ち飲みの名店は、常に客で賑わい凄い活気!!色々な人たちがいて、この空間にいるだけで楽しいんですよね。僕も月に2〜3回は通っています。渋谷の大衆居酒屋の代表といえるお店です。昔ながらの回の字状のカウンターは趣があり良い雰囲気」と語る。
【老舗大衆居酒屋の掟１】初心者は奥のエリアへ進むべし！
この地で約130年前に酒屋として営業を始めた同店は、約45年前にビルを建て現在の立飲みになったそう。だが、この店も渋谷の再開発の影響で数年後には閉店をせざるをえないのだとか。
「こういう猥雑で活気のある渋谷らしい店が昔は沢山ありました。また、そういった店には店独自のルールがあったものです」
「例えば、お店に入ったときのポジショニング。入口付近のエリアは、常連たちの聖域。ここに初心者が陣取るのはタブー。新参者は奥へと進むのがルールです。『富士屋』さんは、入口側ではなく、奥側にメニューがたくさん貼ってあるので、メニューを知らないという意味でも奥へ進みましょう」
【老舗大衆居酒屋の掟２】細かな現金を用意していくべし！
「スマートな支払いを心がけるのも大衆居酒屋のルールといえるかもしれないですね」
「キャッシュオンシステムの店では、千円札や小銭の用意が必須。比較的、少額ですむ『富士屋』さんのような店で、万札で支払おうなんていうのは、ご法度そのもの！まずは、2千円くらいを机上に置いて、すぐに支払いができる状態にしておくのがベターです」
『富士屋本店』で頼むべき人気メニューを大発表！
【老舗大衆居酒屋の掟３】オーダーは少しずつ頼むべし！
初めての店に行くと、アレもコレも！とテンションが高まってしまう諸兄も多いだろう。しかも、この店の多くのメニューが1品500円以内で頼めるというコスパの高さ。でも、そこをグッと我慢して少しずつオーダーするのが『富士屋本店』での暗黙のマナー。
「カウンター形式での居酒屋さんの場合、自分に与えられたエリアは狭い場合が多い。そのスペースを、はみ出さないよう最少スペースで使うのが居酒屋のカウンターでの掟です。そのため一品ずつ頼んで、自分の領土内で楽しむのが大人の心得です」
ココではコレを頼め！小宮山雄飛さんおすすめメニューBEST３を大発表！
《3位》
隠れたヒット★「煮込みハンバーグ」350円
ママの愛情たっぷりの「煮込みハンバーグ」で〆れば、ホッピーも一気に加速！値上げせず国産素材や手作りにこだわっているのも人気の秘訣。
《2位》
濃いタレが◎「とうふサラダ」350円
がっつりメニューにはいかず、野菜料理を頼んで食べているひとはほぼ常連といえます。季節限定「とうふサラダ」も自家製ドレッシングが美味しくて、必ず頼むメニュー。
《1位》
ココの定番！「ハムキャ別」350円
大衆居酒屋のいいところは、家庭の延長的メニューが豊富な点。僕はまずは名物の「ハムキャ別」をつまむのが定番。
「ルールを守って楽しく飲む、コレがココでの合言葉です。1軒の店に長居するのは野暮ってもの。サクッと飲んで、無駄なく楽しむのが酒場ではスマート！」
時代の流れで、『富士屋本店』のように趣や歴史のある店など、この店に行けた！というのが酒呑みの勲章になるような店がどんどん減ってきている。そんな現状を寂しいと雄飛さんは語る。
「渋谷の古くから続く居酒屋には文化があり、相応しい振る舞いができる大人たちで栄えてきた。今も昔もそれは同じ。店と客で文化をつくる。これが渋谷の飲み屋の魅力です」
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