ベテラン大減俸に伸び悩む若手 チーム状況が示す中日の年俸減
最下位に転落した中日、契約更改でも厳しい査定に
中日は11月までに全選手の契約更改交渉を終え、フリーエージェント(FA)宣言をせずに残留した2人の主力が複数年の大型契約を結んだ。大島洋平外野手は6000万円増の1億5000万円で3年契約。平田良介外野手は5000万円増の1億2000万円で、5年総額6億円に上った。
チームで唯一143試合にフル出場した大島は、5年連続で規定打席に達し、リーグ2位の175安打をマーク。守備でも、外野手では球団史上最多5度目のゴールデン・グラブ賞を獲得した。2014年に球団最多タイの186安打を放って以降、3年連続で年俸は上昇。不動のリードオフマンとしての地位を築いている。
今季キャプテンに就任した平田は、度重なるケガによる離脱で118試合出場にとどまり、過去2年より成績を落とした。ただ、チームトップの73打点、72四球はキャリアハイ。得点圏打率は3割5分を超え、チャンスに強い主軸としての存在感は示した。年俸も4年連続でアップし、ついに1億の大台を超えた。
一方で、ベテラン陣は軒並み厳しかった。来季40歳を迎える荒木雅博内野手は20%ダウンの7040万円で更改。今季68試合出場にとどまった森野将彦内野手は、減額制限いっぱいの40%ダウンを受け入れ、8400万円でサインした。
背水の覚悟がにじむベテラン選手、若手の台頭もチーム再建の鍵
現役続行を決断し、球界最年長となる岩瀬仁紀投手は5000万円の現状維持。来季に進退をかける。1億2000万円で3年契約の最終年を迎える山井大介投手はここ2年でわずか5勝。背水の覚悟がにじむ。
昨オフに555%アップした若松駿太投手のような元気ある若手も不在だった。主力に引っ張られるだけでなく、ベテランの復権と若手の台頭が最下位からの再建には欠かせない。ここ2年は2億円を超える選手も不在で、球界を代表するスターが出てくることも求められる。
以下が中日の日本人選手の最近5年の年俸上位5人と来季の年俸上位5人。(※金額は推定)
○2017年
大島 1億5000万円
平田 1億2000万円
山井 1億2000万円
大野 8640万円
森野 8400万円
○2016年
森野 1億4000万円
山井 1億2000万円
大野 1億800万円
浅尾 9800万円
大島 9000万円
○2015年
岩瀬 3億円
和田 2億円
森野 1億7500万円
山井 1億2000万円
浅尾 1億2000万円
○2014年
岩瀬 3億7000万円
和田 2億5000万円
吉見 1億7400万円
森野 1億7000万円
浅尾 1億6500万円
○2013年
岩瀬 3億7000万円
和田 3億3000万円
吉見 2億9000万円
浅尾 2億2000万円
谷繁 1億9000万円
井端 1億9000万円
○2012年
岩瀬 4億5000万円
和田 3億3000万円
浅尾 2億6000万円
吉見 2億4000万円
荒木 2億円