熾烈な戦いが繰り広げられているW杯アジア最終予選は第5戦目を迎える。日本は11月15日にホームでサウジアラビアと対戦する。

 サウジアラビアは現在、勝ち点10でグループBの首位に立つ強豪だ。とはいえ、勝ち点7で3位の日本が今予選で本大会出場(グループ上位2カ国)を決めるためには、決して負けられない相手。リーグ戦の折り返しとなる一戦と考えれば、正直、引き分けでも厳しい。何としても勝利して、勝ち点3を積み上げたいところだ。


 日本とサウジアラビアがW杯アジア最終予選で対戦するのは、1994年アメリカW杯予選以来となる。当時はカタールのドーハに参加6カ国が集結したセントラル開催。1回戦総当たりのリーグ戦で行なわれ、両者は初戦で激突してスコアレスドローに終わった。最終的に、サウジアラビアは首位でW杯初出場を決めたが、日本はあの「ドーハの悲劇(※)」によって、あと一歩で涙を飲んだ。
※1994年アメリカW杯アジア最終予選のイラクとの最終戦、後半ロスタイムに痛恨の同点弾を浴びて、得失点差でW杯出場を逃した。

 W杯最終予選での対戦はこの一度だけだが、それ以外での両者の因縁は深い。その主な舞台となってきたのは、アジアカップ。1992年大会と2000年大会では決勝で激突。いずれも日本が1−0でサウジアラビアを撃破しているが、2007年大会では準決勝で対戦し、サウジアアラビアが3−2で勝利して日本の3連覇を阻んだ。

 日本とサウジアラビアは、1984年大会から2004年大会までのアジアカップ6大会で、それぞれ3度ずつ優勝して両者でタイトルを独占。かつては、アジアの盟主の座を争ったライバルと言える。

 その両者の対戦成績は、日本が7勝1分け3敗と勝ち越している。しかも、日本のホームで行なわれた4試合は、4戦全勝。今回の対戦に向けて、非常に心強いデータとなる。

【日本vsサウジアラビア。過去の対戦成績】
1990年=日本0●2サウジアラビア(アジア大会/中国)
1992年=日本1○0サウジアラビア(アジア杯/日本)
1993年=日本0△0サウジアラビア(W杯予選/カタール)
1995年=日本2○1サウジアラビア(親善試合/日本)
1995年=日本2○1サウジアラビア(親善試合/日本)
2000年=日本4○1サウジアラビア(アジア杯/レバノン)
2000年=日本1○0サウジアラビア(アジア杯/レバノン)
2006年=日本0●1サウジアラビア(アジア杯予選/サウジアラビア)
2006年=日本3○1サウジアラビア(アジア杯予選/日本)
2007年=日本2●3サウジアラビア(アジア杯/ベトナム)
2011年=日本5○0サウジアラビア(アジア杯/カタール)

 過去の戦績からは、日本が有利なのは間違いない。ただ、現在のサウジアラビアを侮ってはいけない。

 W杯は過去2大会連続で予選敗退を喫したサウジアラビア。2014年ブラジルW杯予選に至っては、最終予選にさえ駒を進められなかった。アジアカップでも、ここ2大会はともにグループリーグで敗退している。しかし、最近の14試合では負けなしで古豪復活の兆しを見せているのだ。

【サウジアラビアが現在継続中の無敗記録】
2015年=サウジアラビア2○1ヨルダン(親善試合/サウジアラビア)
2015年=サウジアラビア3○2パレスチナ(W杯予選/サウジアラビア)
2015年=サウジアラビア7○0東ティモール(W杯予選/サウジアラビア)
2015年=サウジアラビア3○0マレーシア(W杯予選/マレーシア)
2015年=サウジアラビア2○1UAE(W杯予選/サウジアラビア)
2015年=サウジアラビア0△0パレスチナ(W杯予選/ヨルダン)
2015年=サウジアラビア10○0東ティモール(W杯予選/東ティモール)
2016年=サウジアラビア2○0マレーシア(W杯予選/サウジアラビア)
2016年=サウジアラビア1△1UAE(W杯予選/UAE)
2016年=サウジアラビア4○0ラオス(親善試合/カタール)
2016年=サウジアラビア1○0タイ(W杯予選/サウジアラビア)
2016年=サウジアラビア2○1イラク(W杯予選/マレーシア)
2016年=サウジアラビア2△2オーストラリア(W杯予選/サウジアラビア)
2016年=サウジアラビア3○0UAE(W杯予選/サウジアラビア)

 また、W杯予選においては敵地での戦いに長けており、最近10試合のアウェー戦で敗れたのは、わずか1試合。今回も油断はできない。

【サウジアラビア、W杯予選アウェー戦の最近10試合の戦績(第3国開催は除く)】
2009年=サウジアラビア2○1イラン
2009年=サウジアラビア0△0韓国
2009年=サウジアラビア0△0バーレーン
2011年=サウジアラビア5○0香港
2011年=サウジアラビア0△0オマーン
2011年=サウジアラビア0△0タイ
2012年=サウジアラビア2●4オーストラリア
2015年=サウジアラビア3○0マレーシア
2015年=サウジアラビア10○0東ティモール
2016年=サウジアラビア1△1UAE

 ところで今回、仮に日本が敗れるようなことがあれば、それは"終戦"を意味することになる。なぜならアジア最終予選がホーム&アウェーの2回戦総当たり戦となった1998年W杯予選以降、ホームで2敗した国がW杯出場を果たした例はないからだ。サウジアラビアとの一戦は、その意味でもまさにW杯出場の命運がかかった大一番となる。

宝田雅樹/National Football Teams-Results●文&データtext&data by Takarada Masaki/National Football Teams-Results