ついお願いごとを書いてしまいそう……実はこれが「合格認定証」です。

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平成の大遷宮で世の中が賑わった数年前から、寺社仏閣へ足を運ぶ人が格段に増えた。御朱印巡りに仏像巡りが話題にあがることもしばしば。
神社と寺を比べると、よりミステリアスなのは神社である。創建1000年どころか、“神代の時代から続く”という神社だって珍しくはない。そんな神社に興味をもってきた人に、おすすめの検定がある。

その名も「神社検定」。
監修は神社本庁で、民間資格といえど格式はなかなかのものである。検定が始まったのは、平成24年。年1回の開催で、今年で4回目となるそうだ。受験者の大半は神社に興味を持っている一般人。仕事に生かしたいという人も多いそうだが、実際は「自分の知力を試したい」知的好奇心の挑戦者が多いそう。

受験者の6割が男性だというが、同じく6割が40歳以下。もっと年齢層の高い検定かと思いきや、最近は若い神社ファンが多いということか。

どんな問題が提出されるかというと、たとえば3級だと……

Q:古くから馬は神の乗り物とされていました。神様にお願いをする際に、本物の馬を奉納していたことに由来するものとは、以下のどれでしょうか。

1、お神札
2、破魔矢
3、絵馬
4、お賽銭(おさいせん)

答えはもちろん「3」の絵馬

古くから生きた馬が奉納され、奉納できない時に板に書かれた絵や木彫りの像が奉納されていた。それが次第に絵馬へと変わってきたのだという。

そんな3級はまだしも、1級になるとこんな問題まで飛び出す。

Q:神道の「経典」に関する問題です。『古事記』『日本書紀』に書かれていることとして間違っているものを選んでください。

1、須佐之男命・大年神の系譜は『古事記』独自のものである
2、稲羽の素兎・八千矛神の物語は『古事記』独自のものである
3、天地創成の神話では『日本書紀』は本書のほかに6個の一書があり、『古事記』のそれとは、第四の一書の末の『又曰』とある別伝と一致している
4、『日本書紀』の一書は、「神代巻」に限られている

こちらの正解は「4」番
ぐっと深い所まで突っ込んでくるので、ただ神社が好き。というだけではむずかしい問題がゴロゴロ。

昨年の試験では、3級受験者はおよそ2000名。合格率は70%となかなかのものだが、これが1級になると合格27.1%という狭き門である。しかし、見事合格した人にはちょっと嬉しい特典がある。それは、後日郵送されてくる合格認定証である。
それも、紙の味気ない証書ではない。神社検定らしい「絵馬型」。伊勢神宮の御用材でもある長野県木曽のヒノキで作られた特製絵馬なのである。

日本各地には8万を越える神社があるそうだ。創建は前述のとおり、古いものになると2000年以上にもなる。そのひとつひとつに、格式や歴史があり、勉強のし甲斐はありそうだ。

今年の神社検定の実施は、6月21日。今から詰め込めば、じゅうぶん間に合う開催日程。
締め切りは5月14日。興味のある方、自信のある方、こんな検定で自分の知識力を試してみませんか。
(のなかなおみ)