イタリア旅行の中国人、「グッチ」の店先に陣取ってカップ麺「ずるずる」・・・批判に対して「どこが悪い」の大合唱
イタリア人は驚き呆れた。通りすがりのその他の国の買い物客も驚き呆れた。イタリア旅行中の中国人観光客が集団で、高級ブランドのグッチ販売店の店先に陣取り、カップ麺(めん)をすすり込んでいた。2月上旬にイタリアでインターネットに投稿されて、多くの人が知ることになった。同国メディアは「文明の衝突」などの用語を交えて同件を取り上げた。その後、中国メディアも報じた。中国のインターネットでは、グッチの店先でカップ麺を食べた人を擁護する声が多い。
グッチ販売店の前には石造りのテーブル状のオブジェがある。高級ブランドを扱う店だけあって、落ち着いて整った景観をもたらそうとしたらしい。高さは大人のひざぐらいだ。そのオブジェに、中国人女性がカップ麺を並べた。全部で5個。しゃがんで「お食事中の」の中国人女性は3人ほどだ。少し離れた場所には、石碑のようにも見えるオブジェもある。オブジェの上に、カップ麺を置いて食べている人がいる。かがんで口を近づけて麺をすすりこんでいる。
高級ブランド店の前に陣取ってカップ麺をすする画像も衝撃的だが、現場ではそれだけではなかっただろう。湯を入れたカップ麺からは、相当に強い匂いがただよう。匂いは店内まで流れ込んだかもしれない。
さらに、欧米人は食事の際に音をたてることを嫌悪する。中国人は盛大に「ずるずる」と麺をたぐっていたに違いない。麺を食べる際に音を出すのが絶対にいけないというのではない。ここは中国国内でも、日本のそば屋・うどん屋でもない。イタリアの、それも高級ブランド販売店の前なのだ。
同件は、イタリアでインターネットユーザーが写真を投稿したことで知られるようになった。画像を発表した人は「彼女らのランチはカップ麺。お湯はどこから手に入れたのか? カップ麺を食べて節約して、高級ブランド品を買うのか。頭がくらくらする!」と書き込んだ。
イタリアのメディアが論評を発表した。まず、中国人がカップ麺を持って海外旅行をすること自体におかしな点はないと主張。「西洋の飲食に慣れないということもあるだろう」と理解を示した。
さらに、グッチ販売店の前で飲食したこと自体は問題ではないと指摘。西洋人も街頭や屋外で物を食べることはあり、食べたのがパンだったら、だれも問題にしなかったろうとの考えを示した。
そこまで譲歩した上で論説は、問題は「中国人が時と場所を選ばず、金を持っているという理由でやりたい放題にすること」と指摘。欧州人が低級な食べ物と考えるカップ麺を、高級ブランド店の前で食べれば、違和感を持つ人が多く出るとの考えを示した。
論説は食習慣について「それぞれの国で標準が定まっている」と指摘。食文化には礼儀もタブーも含まれるとの考えを示し、だからこそ「国と国、国民と国民がつきあう際には、相互に習俗を尊重せねばならない」と論じ、そうでなければ「文明の衝突」が発生すると主張した。
同件は、中国の簡易投稿サイト「微博(ウェイボー、中国版ツイッター)」でも紹介された。23日午後2時現在、最も多い1334件の「いいね」が寄せられたのはいずれも、「カップ麺がどうした。かわいいじゃないか。彼女らは盗んだのでも、ごみを捨てたのでもないぞ。私はいつも、外国人が道端で物を食べるのを見ているぞ」だ。それ以外にも「外国の食べ物はまずすぎて、中国のカップ麺にも劣るということさ」などと、グッチの店の前でカップ麺を食べた中国人を擁護する書き込みへの支持が高い。
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◆解説◆
中国ではメディアや識者、さらに政府当局が、「中国人の習慣からすれば、特に悪いことではなくとも、海外旅行の際には『郷に入ったら郷に従え』を守るべき」と主張している。イタリアのメディアも、自国の習慣とは異なる行為だったので、問題になったとの考えを示した。しかも、「パンを食べたなら問題にならなかっただろう」と主張。読者に対して、「実際には習慣のわずかな違いであり、中国人をことさら嫌悪するのもおかしい」ことを示唆したと考えられる。
一方、中国国内の「微博」へのコメントや「いいね」の反応を見るかぎり「どこが悪い」と、批判されたことに対する不快感が前面に出ている。「郷に入ったら郷に従え」を実践して、トラブルを防いだり、中国人に対する悪評を払拭すようという気持ちは、なかなか見えてこない。(編集担当:如月隼人)(写真は同話題を報じた荊蘇網の10日付報道の画面キャプチャ)
高級ブランド店の前に陣取ってカップ麺をすする画像も衝撃的だが、現場ではそれだけではなかっただろう。湯を入れたカップ麺からは、相当に強い匂いがただよう。匂いは店内まで流れ込んだかもしれない。
さらに、欧米人は食事の際に音をたてることを嫌悪する。中国人は盛大に「ずるずる」と麺をたぐっていたに違いない。麺を食べる際に音を出すのが絶対にいけないというのではない。ここは中国国内でも、日本のそば屋・うどん屋でもない。イタリアの、それも高級ブランド販売店の前なのだ。
同件は、イタリアでインターネットユーザーが写真を投稿したことで知られるようになった。画像を発表した人は「彼女らのランチはカップ麺。お湯はどこから手に入れたのか? カップ麺を食べて節約して、高級ブランド品を買うのか。頭がくらくらする!」と書き込んだ。
イタリアのメディアが論評を発表した。まず、中国人がカップ麺を持って海外旅行をすること自体におかしな点はないと主張。「西洋の飲食に慣れないということもあるだろう」と理解を示した。
さらに、グッチ販売店の前で飲食したこと自体は問題ではないと指摘。西洋人も街頭や屋外で物を食べることはあり、食べたのがパンだったら、だれも問題にしなかったろうとの考えを示した。
そこまで譲歩した上で論説は、問題は「中国人が時と場所を選ばず、金を持っているという理由でやりたい放題にすること」と指摘。欧州人が低級な食べ物と考えるカップ麺を、高級ブランド店の前で食べれば、違和感を持つ人が多く出るとの考えを示した。
論説は食習慣について「それぞれの国で標準が定まっている」と指摘。食文化には礼儀もタブーも含まれるとの考えを示し、だからこそ「国と国、国民と国民がつきあう際には、相互に習俗を尊重せねばならない」と論じ、そうでなければ「文明の衝突」が発生すると主張した。
同件は、中国の簡易投稿サイト「微博(ウェイボー、中国版ツイッター)」でも紹介された。23日午後2時現在、最も多い1334件の「いいね」が寄せられたのはいずれも、「カップ麺がどうした。かわいいじゃないか。彼女らは盗んだのでも、ごみを捨てたのでもないぞ。私はいつも、外国人が道端で物を食べるのを見ているぞ」だ。それ以外にも「外国の食べ物はまずすぎて、中国のカップ麺にも劣るということさ」などと、グッチの店の前でカップ麺を食べた中国人を擁護する書き込みへの支持が高い。
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◆解説◆
中国ではメディアや識者、さらに政府当局が、「中国人の習慣からすれば、特に悪いことではなくとも、海外旅行の際には『郷に入ったら郷に従え』を守るべき」と主張している。イタリアのメディアも、自国の習慣とは異なる行為だったので、問題になったとの考えを示した。しかも、「パンを食べたなら問題にならなかっただろう」と主張。読者に対して、「実際には習慣のわずかな違いであり、中国人をことさら嫌悪するのもおかしい」ことを示唆したと考えられる。
一方、中国国内の「微博」へのコメントや「いいね」の反応を見るかぎり「どこが悪い」と、批判されたことに対する不快感が前面に出ている。「郷に入ったら郷に従え」を実践して、トラブルを防いだり、中国人に対する悪評を払拭すようという気持ちは、なかなか見えてこない。(編集担当:如月隼人)(写真は同話題を報じた荊蘇網の10日付報道の画面キャプチャ)