VAIO Z 2015年モデル発表。MacBook Air 13同等サイズにMBP並の高性能、15時間駆動のフリップ型ノート

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2月16日、VAIO株式会社が初のオリジナル設計となる変形型ノートPCとして、VAIO ZことVJZ13A1シリーズを発表しました。受注開始は本日から、価格は最小構成で19万円前後からの見込み。

新生VAIO新モデルの実質第一弾となったのは、先行して公開されていたクリエイター向けタブレットVAIO Z Canvas(旧VAIO Prototype Tablet PC)ではなく、VAIO Zの2015年版となる2-in-1タイプのノートPCでした。

特徴は、13.3型の薄型2-in-1ノートPCとして水準となるサイズや重量の中に、TDP 28W版BroadwellーU世代Core i5/i7など、より大型のPCで採用される水準のパーツを詰め込んだ点、そして58Whという大容量バッテリーを搭載し、JEITA 2.0測定法で約15.2〜15.5時間、JEITA 1.0測定では22時間という長いバッテリー駆動時間を実現した点です。

同社はより軽量なモバイルPCとしてVAIO Proを擁していることもありますが、コンパクトな本体に詰め込めるだけの高性能を狙う、というVAIO Zシリーズのコンセプトに則った性格のモデルです。

実際の本体サイズは324.2×215.3×15.0〜16.8mm(幅×奥行き×厚さ)、重量は1.34kg。想定ライバルであるMacBook Air 13インチモデルは325×227×3〜17mm、重量は1.35kgなので、ほぼ同等。

搭載されるCPUは2種類からの選択式。標準仕様がCore i5-5257U(2コア4スレッド、基本クロック2.7/ターボ時最高3.1GHz)、上位仕様がCore i7-5500U(2コア4スレッド、基本クロック3.1/ターボ時最高3.4GHz)。両モデルともGPUとして、高性能なIrisグラフィックス6100を搭載します。

なお、今回より高密度実装したマザーボードと冷却機構に、『Z ENGINE』というブランドネームが与えられています。発表に先んじて開催された製品説明会では、スケルトンモデルも公開されています。

さらに液晶ディスプレイは13.3インチWQHD(2560×1440)解像度対応で、メインメモリは8GBと16GBからの選択式。SSDはすべてPCI Express x4接続で、容量は128/256/512GBと、現時点で最先端となる仕様を詰め込んでいます。
さらに従来、モバイルノートでは本体の大きさからあきらめがちだった、Wi-Fiアンテナの効率的な配置による実測通信速度向上や、スピーカーの音量の大きさといったポイントにまで配慮しているのも特徴。こうした点などを称してVAIO側は「VAIOの馬鹿みたいなこだわりがいっぱいにつまったPC」と紹介しています。

変形パターンは、ソニー時代の最後のモデルとなったVAIO Fit 13Aと同じく、液晶パネル部のみをひっくり返すフリップ型。またペン入力に関してもFit 13AやVAIO Duo 13と同じく、N-trigベースのを搭載。ペン先と入力点との視差が小さいのが特徴。

さらに電源管理はInstantGoに対応。スリープ状態でも一部アプリケーションはWi-Fi通信が行え、さらにスリープからの復帰後もWi-Fiの再接続時間が掛かりません。
復帰時間自体も公称0.3秒と非常に高速。実際に試作機でのデモも実施されましたが、画面のみをオフにしていたのかスリープになっていたのかがわからないほどの速度でした。

本体デザインは、基本的にVAIO Fit 13Aを踏襲......というより一見すると、どちらが本機かわからないレベル(並べると本モデルのほうが小さいのでわかりますが)。

この点に関しては従来のVAIO Zファンを中心に賛否両論が出そうですが、Fit 13Aのデザインはユーザーから完成度の高さが好評であったのも確か。またこのデザインは、フリップ変形機構を活かすという点からの採用ともいえそうです。

なお、本体底面の手前側には、MADE IN AZUMINO JAPANの刻印が施されます。本体カラーはシルバーとブラックの2色。また別途、BEAMSとのコラボレーションモデルも用意されます。

このように、2015年型VAIO Zは、一見高価で重量もそこそこのようにも見えますが、実はそれ以上に実働性能やバッテリー駆動時間を重視したバランスのモデルとなっています。こうした点は上述したように、VAIO Z従来モデルの多くに通じるコンセプト。重量と使い勝手、さらにはPCとしてのパワーや実用性もバランス良く重視したい、という方にとっては見逃せないモデルと言えそうです。