フジテレビのお家芸(photo via flickr)

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 芸能スクープの張り込みといえば週刊誌の仕事と思われがちだが、実は、テレビ局もこっそり動いているのをご存じだろうか。

 女優を追う場合、テレビ局は「現在自社のドラマに出演していないか」を先に確認してから動く。もし何か情報を掴んだとしても、

「高視聴率を獲る人だから、それは流せない」

 と上層部に言われればお蔵入りしてしまう。

 だが、週刊誌や各局が追い回すような“大事件”となると、話は別。KARA、玉置浩二&青田典子といった“目玉スクープ芸能人”や、覚せい剤で検挙された酒井法子、押尾学などの犯罪者を追う場合は容赦ない。それこそ昼夜問わず、交代制で尾行、張り込みを続けている。

1時間20万円のヘリを惜しげもなく投入

 週刊誌記者が明かす。

「テレビ局のすごいところは、ヘリまで飛ばすところ。ノリピーが釈放される1日前に、夫の高相氏が釈放された。その時には、車とバイクでも数台ずつ追いかけ部隊を用意したけど、信号のタイミングで見失わないよう、上空からヘリでの尾行もやっていた。ヘリは1度飛ばすと、1時間20万円からと言われている。中には、マンションの1室を借りて、ずっと張り込んでいる局もあるというから、その財力は到底真似できません」

 ちなみに、KARAの解散騒動の時に最も活躍したのは、“バイク便”記者だった。

「KARAと噂になっていたあるドラマスタッフがいたんです。その人を追いかけるために、僕らはレンタカーやタクシーで張り込みをしていた。でも、フジテレビだけは違った。自社で抱えているバイク便業者に、『手紙を配達する代わりに尾行をしてよ。その分お金を出すからさ』といって、バイク便業者に張り込ませていたのです」(テレビ関係者)

 結局、KARAとそのスタッフとの関係性はないと判断されるまで、1か月ほど張り込みが続けられたという。

複数台使うことも

 実際、フジテレビのバイク便に張り込まれたことがある俳優はいう。

「家の前に明らかに怪しいタクシーとか、長いこと停まっている車があったんです。あんなのがいると、買い物にも行けない。どうしても外せない人との約束の時に、外へ出たら案の定追っかけてきました。だから必死で同じところをグルグル回ったり、Uターンしたりして全員巻いた。そのつもりだったんです。ところが、後々フジテレビで、その後の行動を詳しく報じられてびっくりしました。知り合いのフジの人間に聞いたら、『実はバイク便業者を複数台頼んで、追わせていたんだ』と。そんな手を使われるとは思ってなかったから、こっちも油断していました」

 車よりも機動性に富み、振りきりづらいバイク便業者。そんなのに狙われると思うと、芸能人も気の毒になってくる。

(取材・文/大伯飛鳥)