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amadanaとハイアール アジア インターナショナルは5日、戦略的パートナーシップを組み、協業していくことに合意した。同日、報道関係者向けに合同記者会見を開催。両社の代表取締役社長が登壇し、協業に至った背景、今後の展開などについて説明した。

会見にはamadanaの代表取締役社長 熊本浩志氏とハイアール アジア インターナショナル(以下、HAI)の代表取締役社長兼CEO 伊藤嘉明氏が登壇し、パートナーシップを組むに至った経緯、目的、今後の展開について語った。

○家電業界の"閉塞感"を打破する

はじめに、伊藤氏からパートナーシップ契約締結の目的について説明があった。現職に至るまでに、エンターテインメント業界やスポーツ用品業界など多様な業界に身を置いていた伊藤氏は、2014年の2月からHAIのCEOになった。家電業界からすれば、いわば"よそ者"だ。家電業界に入ってみて、閉塞感を感じ、それを打破するためにも体制改革が必要だと考えた、と同氏は語る。新しいビジネスを始めるために、以前からファンでもあったamadanaと協業することを思いついたという。

続いて、熊本氏は「HAIと一緒におもしろいことをしたかった」と語る。伊藤氏のことを「よそ者だけに、家電業界のしがらみや固定概念を打ち破ってくれる人材」と評し、クリエイティブな面からHAIをバックアップしていこうと思った、と語った。また、HAIのプラットフォームを活用し、新しいモノづくりを展開していきたい、と意気込みを示した。

両者は2014年のゴールデンウィーク明けに初めて対面。初回の会談では6時間半、2回目の会談では7時間も話が尽きず、お互いに「波長が合うと思った」と語る。そこからわずか1カ月ほどで、戦略的パートナーシップ契約を締結するに至った。

○ユーザーを巻き込んだ製品作りを

パートナーシップを組むことによって、モノだけでなくカルチャー(文化)を発信していくという。ユーザーとSNSを通じて意見を交換し、反映していくなど、ユーザーを巻き込んだモノづくりを考えている。熊本氏は、そうした体験までも製品として提供することで新たな付加価値を与えられるのではないか、と語る。ハイアールといえば、日本では白物家電のイメージが強いが、「現在取り扱っていないジャンルにも挑戦していきたい」と同氏。

では、具体的にはどのように事業を展開していくのだろうか。日本およびアジア圏でamadana製品をHAIが開発、製造したり、共同で開発した製品を販売するための「amadana コンセプトショップ」を展開したりすることを検討している。コンセプトショップについては、日本国内と国外合わせて年内に10店舗、来年2015年には50店舗オープンすることが目標だ。1店舗目は6月にオープンする予定だというが、詳細が決まり次第、発表するという。

両社が協力して開発した製品には、国やロケーションに合わせて新しいブランドを付与し、ブランドの住み分けを行っていく予定だ。

なお、amadanaブランドを展開していた「株式会社リアル・フリート」は3日、社名を「amadana株式会社」に変更した。

(野山靖代)