DaVinci Resolve事例:「X-MEN:フューチャー&パスト」のニアセット・デイリーグレーディングの場合

写真拡大 (全2枚)

©2014 Twentieth Century Fox

Blackmagic Designの発表によると、EC3のデイリーカラリスト、エイドリアン・デルード氏が、20世紀フォックス配給作品「X-MEN:フューチャー&パスト」のニアセット・デイリーグレーディングにDaVinci Resolveを使用しているという。EC3は、Deluxe Entertainmentサービスグループのニアセット・デイリーを担当する部門。



ブライアン・シンガー監督、全米撮影監督協会のニュートン・トーマス・サイジェル撮影監督による、X-MENシリーズ最新作では、オリジナル3部作のキャラクター達が「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」に登場した過去の自分自身と手を組み、未来を救うために過去を変えるというストーリー。



デルード氏はサイジェル撮影監督と協力し合い、EC3のトレーラーを使って作業を行った。このトレーラーは、試写室やカラーグレーディングツールが装備されたニアセット(撮影現場の近く)のモバイル・グレーディングシアター。「X-MEN:フューチャー&パスト」のカラーコレクションには、DaVinci Resolveが使用され、サイジェル撮影監督とデルード氏は、複雑なキーやセカンダリーコレクションを多用したデイリーグレードを作成したという。




©2014 Twentieth Century Fox

サイジェル撮影監督は、デルード氏が手がける作品において、常に光化学およびデジタル・テクノロジーの限界を押し広げようと模索し、今回のデイリー制作においても、様々なルックのアイデアを試したいと考え、デルード氏はDaVinci Resolveを使用した。



デルード氏:トムは、画を極限まで変えることが好きなんです。そうやってアイディアを伝えたりコンセプトを明確にすることで、監督に色の方向性を説得していきます。この段階では、若干極端なルックですが、DIの段階でそのトーンを落として調整しました。


トムは、DaVinci Resolveで何が実現できるかを、よく分かっていました。DaVinci Resolveの性能を正確に把握していたんです。この作品では複雑なグレーディングをたくさん行いました。各ショットにつき、11くらいのノードを使用しています。これは、毎日フルDI処理を行っているようなものでした。



サイジェル撮影監督がデジタルで撮影したほぼすべての作品のDIグレーディングを手がけているカラリストのスティーブン・ナカムラ氏は、サンタモニカにあるDeluxeのCompany 3のスタジオで、DaVinci Resolveを使用して同作の最終的なDIグレーディングを行った。



ナカムラ氏:エイドリアン(デルード氏)の作成したデイリーはいいガイドになりました。彼と一緒に作業したことで、トムはアイディアを膨らませることができ、DIシアターでの作業を非常にスムーズに進めることができました。