「アウディが寿司ビジネスに新規参入」 今年のエイプリルフールでは一番と評判に
ドイツ自動車メーカー「Audi(アウディ)」が寿司外食産業に新規参入するという驚きのニュースが2014年4月1日に発表された。アウディ・ジャパンがサイト上で明かにしたもので、東京・銀座に1号店を出店し、2014年度中に全国に500店舗の出店を目指すという内容だ。
ただ、これはエイプリルフールに合わせた嘘。ネット上では「ナイス、エイプリルフール」「笑った」などと今年の嘘ニュースの中では秀逸だったと話題になった。
銀座に1号店をオープンさせる事業計画を説明
アウディ・ジャパンの発表では、「アウディ、寿司ビジネスに参入」という見出しに続き、銀座に1号店をオープンさせるなどの事業計画が説明された。全世界で500万台以上が生産された「quattro」にちなんだ寿司ネタとして、「幅広い世代に人気を誇っているのは、やはりマグロの中トロと大トロ。そんな中、アウディが自信を持って投入するメニュー、それが『クワトロ』です」と写真付きで紹介した。
自動車メーカーとしてのカテゴリーを超え、異業種に参入する理由については「私たちはクルマと和食、とりわけ寿司を、どちらも等しく『文化』としてとらえています。和食が世界無形文化遺産に登録され、国内でもこれまで以上に再評価される今、寿司事業へ取り組むことにいたしました」と説明した。
この発表には驚かされた人も多かった。しかし、最後に小さく「※この記事はエイプリルフールの嘘のニュースです」と記載されており、発表日が4月1日だったことを改めて認識させられた。ネット上では「せっかくのブランドが」「イメージ損ねた」「笑えない」といった批判的な意見もあったが、大多数からは「今年のエイプリルネタはアウディが一番かな」「無駄にカッコイイ」「本当に参入して」「(寿司ネタのクワトロを)食いたい。うまそう」などと好意的に受け止められた。
合い言葉を言えば、「オリジナルAudi湯呑」をプレゼント
エイプリルフールには世界中で嘘ニュースが流れるのが恒例で、まとめサイトができるほど注目されている。ただ、嘘ニュースは、外すと企業イメージに悪影響を及ぼすだけにジョークのセンスが問われる。アウディが評判となったのはセンスの良さに加え、本当のニュースも織り込んでいたからだ。
それは4月1日限定で正規ディーラーに行って「中トロ、大トロ、クワトロ」という合い言葉を言えば、「オリジナルAudi湯呑」をプレゼントするというもの。この湯呑みには漢字で「鯵」「鰯」「鯖」「鮎」「鮑」など寿司ネタが書き込まれているが、その中に車偏に「四駆」と書いて「くわとろ」と読ませる造語も紛れ込んでいた。この湯呑みが好評で「欲しい」という声がネット上に殺到。湯呑みをもらえたとの書き込みがあった一方、数量限定だったこともあり「もうなかった」「もらえんかった」という報告も。嘘ニュースが不評だった企業が少なくない中、評価を高めたアウディの来年のニュースに期待する声が早くも上がっている。