『英語はインド式で学べ!』 巻末に「sound/find/give」の仲間の動詞39個つき。

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英語、しゃべれない。
東京オリンピックが開催。となると英語しゃべる人が、きっとオレに道を聞くに違いない。
怖いよー。怖いよー。怖いよー。怖いよー。怖いよー。

本屋で、『英語はインド式で学べ!』という本をみつけた。
帯がすごい。
「英語人口10倍になったインドに学ぶ最強の学習法」って言葉が、ビカビカマークの中にあって、
「日本人の英語の弱点はコレですべて解決!」と大きく書いてあって、
その下に「1時間後に英語が話しはじめられる!」である。
さらに、「インド式英語学習法とは? 「単語」「文法」「発音」など、新しい暗記はナシ! 「3つの動詞」だけで簡単に英文が作れる!」だ。
ピンクや黄色の派手な色を使って、必死だな!って感じの表紙になっている。

しかし、「1時間後に英語が話しはじめられる!」は、さすがに大袈裟すぎるだろう。
本を読むだけでそれ以上かかる。
と思ったら、文字も大きくて、図解も多くて、読みやすい文章なので、すらすら、1時間で読めた。
しかも、帯の文句、嘘いってません。
「話しはじめられる」の敷居をさげればいいんだよ、っつーことが書いてあるのだ。

インド式英語学習法が成功した理由は3つ。
・発音は気にしない。
・しゃべりやすいように工夫する。
・道具として割り切る。

「どうにか通じればいいじゃないか!」というのを徹底するということなのだ。
ここまでくれば人間力である。

本書では、まず「3つの動詞」だけで、どんなことでも話せる!と断言する。
その3つの動詞とは、何か?
ぱっと考えると、be動詞と、haveと、あと何だろうなーってところだが、これが、いかんのだ。
日本人のつまずきポイントは「Be動詞」と「have」ばかり使うことだ、と本書は主張する。
では、「3つの動詞」、何を使えばいいのか?
それは!
sound
find
give
である。

この3つの動詞と、英文のカタチをマスターすればOK。

いやいやいや、そんな単純なことしか伝えられないんじゃどうしょうもないでしょ!
「彼女は有名らしい」は、She sounds famous.で言える。
でも、「彼女はあの会社では有名らしい」になると、言えないじゃん。
という反論にも、インド式は、ずばっと(割り切って)答えてくれる。

積み残し情報は、atとwithだけでだいじょうぶだ、と!

「3つの動詞と英文のカタチ」の中に収まらない情報は、前置詞を使ってくっつけてやるとよい。
でも、前置詞ってあれこれややこしい。
in on at to for from by of as about with by…………。
あれこれあって、しかも何か使い方が難しい。
が、インド式は、伝わればいいんだって割り切りがあるので、もうatとwithで全部すましちゃうのだ。
い・さ・ぎ・よ・い!

彼女はあの会社では有名らしい。
は、
She sounds famous at the company.
でオーケー。
なんでもかんでもatとwithでくっつけてやれってもんである。

この割り切り。
TOIECや、テストでは点は取れないが、通じればいいじゃないか、という発想の逆転である。
「1時間後に英語が話しはじめられる!」は、この発想の逆転で成し遂げられる。
英語を必死に学んだり、単語をたくさん覚えたりするのは、ひとまず置いておいて、伝わる最低限のツールとして使ってやろうということなのだ。

『英語はインド式で学べ!』の「おわりに」にこう書いてある。
“グローバル社会で求められることは、「自分たちの英語を作って、それをドンドン使って世界に打って出る」という積極性であり、そのための工夫なのです。それが、この「インド式英語学習法」なのです。”

これで、英語で道を聞かれてもだいじょうぶ。
地図描いて渡せばいい。もう英語で返事しなくてもいいじゃないかって気になってきた。ばんざーい!(米光一成)