「今の相場には有力な売り手が見当たらず、外国人投資家が大量放出しない限り需給は逼迫しがち。異次元金融緩和で日銀が国債の大半を買い占め、銀行は資金の運用先に窮している。20数年来も保有株を売り続け、その種も尽きた。しかも、バーゼル3(国際的な自己資本比率規制)では保有株の含み益を自己資本に組み入れることが認められ、むしろこれからは買いに回る」

こう語るのは、今やプロのディーラーや手だれの投資顧問までもが一目置く株式評論家の山本伸さんだ。昨年以降、彼の推奨銘柄は軒並み急騰し、半年足らずでほぼ10倍高を達成するものまで出た。では、参院選を眼前に控えたこれからの相場において、どんな銘柄に照準を定めるべきか?「ズバリ、アベノミクス相場の大本命は含み資産関連!」

山本さんはこう即答するが、その根拠などに関しては後で詳しく紹介したい。とにかく、予算が尽きれば終わりの「国土強靱化」関連などとは違い、アベノミクス相場が続く限り、含み資産関連は一貫して注目され続けると山本さんは太鼓判を押す。

一方、「6月ごろにはテーマ物色が一巡し、下値が限定的な出遅れ株に資金がシフトする」と読むのはフェアトレード代表取締役の西村剛さん。いずれにしても、この先もまだまだ株式市場から目を離せない日々が続きそうだ。



松本貴司
岡三証券 取締役




山本伸
株式評論家



この記事は「WEBネットマネー2013年7月号」に掲載されたものです。