SDカード“持ち主探し”大成功、空港で拾いネットで情報提供呼びかけ。

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オランダ・アムステルダムの空港に落ちていた1枚のSDカード。それをたまたま拾った広告代理店を営む男性は、落し物として届けるのではなく、「ニュースの伝達がスピーディ」との理由で自分でSDカードの中身をネットに公開し、本人を探すことにした。今年1月、動画やFacebookでSDカード内にあった女性2人の写真を公開したところ、オランダメディアの紹介もあって多くの情報が寄せられ、昨年夏に失くしたという持ち主の英国人女性発見に至ったそうだ。

英紙デイリー・テレグラフやサンなどによると、SDカードの持ち主を探したのは、アムステルダム・スキポール空港で拾ったピーター・ファン・レーウェンさん。彼はその小さな落とし物を、空港の遺失物取扱所に届けようとは思わなかったという。広告代理店の社長を務める彼はFacebookを活用して持ち主を探そうと、SDカードを自分が引き取ることにした。

そして、持ち主を特定できるデータがあるか中身を確認すると、出てきたのは若い女性2人を中心に、さまざまな場所で撮られた約300枚の写真。その中から数枚の写真を選ぶと、レーウェンさんはまずYouTubeに1月24日付で動画「Who's that girl?」(http://www.youtube.com/watch?v=cq6-6qPKBO4)を投稿した。24秒の動画は、軽快な音楽に乗せて写真を公開した上で、「この女性を知っていたら教えて欲しい」といったメッセージとメールアドレスを紹介。広く、ネットユーザーに情報の提供を求めた内容だ。

さらに彼は、1月28日に自社のFacebookでも写真を紹介。ネットの情報伝達速度を信じ、持ち主に繋がる情報を待った。やがて、地元放送局RTV Noord Hollandのラジオを通じて彼の捜索が紹介されると、写真の女性の友人で、アムステルダム在住の人物が「YouTubeに出ている」と本人に連絡。そして2月6日、女性からレーウェンさんに連絡が入り、彼の持ち主探しは成功に結び付いた。

SDカードの持ち主だったのは、英サフォーク州ウッドブリッジで暮らす22歳のカトリオーナ・ボウマンさん。彼女は昨年夏、バックパッカーとして友人のエミリー・ファザーさんと欧州を巡る3か月の旅行に出かけた。その途中、友人がいるアムステルダムにも立ち寄り、ある日バーで楽しんでいたところ、ファザーさんの眼鏡ケースに入れたはずのSDカードを紛失。気付いた後にバーへ戻り、店の中を探し回ったものの見つけられず、「もう戻って来ない」と諦めていたという。

それから半年近く経って、思いも寄らぬ形でSDカード発見の一報を受けたボウマンさん。バーではなく、なぜ空港で見つかったのかというミステリーは残るものの、楽しい思い出の記録を取り戻すことができ、探してくれたレーウェンさんには「本当に感謝している」と喜んでいるという。