フットサルＷ杯の開幕が迫ってきた。僕自身も現地で取材をするのだが、日本サッカーの未来を左右する重要な大会が、11月３日に開幕する。来年開催のＵ−20Ｗ杯出場を賭けたＡＦＣＵ−19選手権だ。

　日本サッカーの急速な成長は、1993年のＪリーグ開幕が力強く後押しした。同時に、若年層の育成環境が整備されたことも大きい。自国開催した1993年のＵ−17Ｗ杯を契機に、Ｕ−17やＵ−20の国際大会の重要性が浸透していった。

　1994年のＵ−19選手権では、史上初めてアジアの予選を突破した。フル代表に先んじて、若年層がＦＩＦＡ主催の国際大会へ飛び出していった。

　ここから日本は、Ｕ−20Ｗ杯の常連となる。97年大会はベスト８、99年大会は準優勝と、大きな成果も残した。2007年大会まで、７大会連続でＵ−20Ｗ杯に出場してきた。　
　
　世界への扉が閉ざされたのは、2009年大会からである。翌2011年大会もアジアの壁──正確に言えば、２大会連続で韓国の牙城に──を乗り越えられなかった。
　
　Ｕ−20Ｗ杯出場を逃した二世代の集合体であるロンドン五輪代表は、44年ぶりのベスト４入りを成し遂げた。優勝候補のスペインを撃破し、最大数の６試合を戦い抜いたのは、かけがえのない財産となって選手の成長を促すだろう。

　ただ、躍進を支えたのはオーバーエイジである。吉田と徳永がいなかったら、ベスト４まで勝ち残れたのかは疑問だ。オーバーエイジを使えずにグループステージ敗退となった北京五輪代表と、同じ道を辿っていたかもしれない。

　そう考えると、Ｕ−20Ｗ杯出場の重要性は変わっていない。この年代で世界を経験しておく価値は、やはり見落とせない。世界のトップクラスのレベルを体感するのはもちろんだが、強化期間の延長も大きい。

　通算19回目となる次回のＵ−20Ｗ杯は、来年６月21日に開幕する。予選突破となれば、半年以上も強化期間が継続していく。欧州や南米とのテストマッチも可能になるだろうし、チーム内の競争も激化する。

　19歳から20歳へ向かうこの年代は、短期間で急激な成長を遂げる。ひとつのゲームをきっかけに、驚くほど姿を変える選手も出てくる。半年間の切磋琢磨が、世代全体のレベルを押し上げていく。ここに、強化が持続される大きな意味があるのだ。

　アジアの出場枠は「４」で、ベスト４進出国がＵ−20Ｗ杯へのキップを手にする。準々決勝は11月11日──フットサル日本代表が決勝トーナメントに進出すれば、同じ日に試合が行なわれるかも可能性もあるが、U−19選手権も注目である。