中国政府・水利部の矯勇副部長は22日、全国節水キャンペーンの立ち上げ式の席で、現在400都市あまりで水不足が発生していることを明かし「節水意識と水事情に極めて大きな差がある」と発言した。中国新聞社が伝えた。

 矯副部長は全国で1年間に400億立方メートルの水が不足しており、400都市あまりが水不足、110都市が深刻な水不足に陥っていることを紹介、「厳しい水事情が、中国が節水型社会の道を進まなければいけないことを決定づけている」と語った。一方で「国民の水利用観念が、厳しい水事情と極めて大きなコントラストを形成している」と指摘した。

 その表れとして、節水戦略の位置づけや国民の節水意識が低いこと、行政措置に依存した節水措置で節水奨励メカニズムが構築されていないこと、節水管理体系が不健全で、制度構築が立ち遅れていること、経済構造の調整と節水プロジェクト建設の力が弱いことを挙げた。

 記事は、中でも首都・北京は1人あたりの水資源量が100立方メートル以下と、世界の水不足警戒ラインのわずか1割という、最も「枯渇」した都市であり、方々から水を調達するために北京市だけで22カ所の水源を持っていることを紹介した。

 そして、水道水の硬度が高いために多くの市民がウオーターサーバーや自動浄水器を利用していることについて「1トンの浄水を作るのに3トンの水が必要だ」と浪費を指摘。国家基準内のミネラルは人体に有益であるとの同市水務局のコメントを紹介した。(編集担当:柳川俊之)