日清食品が11月28日に「日清のラーメン屋さん ちゃんぽん シーフード風味」を発売する。11月18日付日本経済新聞に掲載された記事によると、最大の特徴はタイトルが表している「レンジで楽チン 袋入り即席麺」。<丼に水と一緒に麺を入れ、500ワットの場合で7〜8分加熱すれば完成する>という。この商品に込められた戦略意図は何だろうか。

 読者の家に電気ポットや電気ケトルはあるだろうか。かつては一家に一台、アタリマエのようにあったが、もしそれがあれば昨今では少数派ということになる。インターネット調査のマイボイスコムの調べによると、「電気ポット」所有率は40.2%。「電気ケトル」所有率は19.0%だという。つまり、4割以上の家庭にお湯を沸かす専用調理器がないのだ。では、ヤカンや鍋で沸かすのかといえば、カップに水を入れてレンジでチンして沸かす派も多いのだという。

 1989年、アーノルド・シュワルツネッガーが筋骨隆々とした肉体にヤカンを2つ持って体操を披露するカップヌードルのCMが一世を風靡した。それから20年。ヤカンやポットが家庭から消えている。使用調理器の変化はカップ麺の最大手・日清食品にとって由々しき自体である。それに対して、今年8月には「冷凍 日清 太麺堂々 辛味噌ラーメン」を発売したが、実はレンジ対応食品にはその前段がある。「お湯をかけて調理」という商品が得意であるが、レンジ対応商品には決して強くない同社は、先兵として「カップヌードルごはん」を開発・上市した。結果は売り切れが相次ぐ大好評であった。


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