『朝まで生テレビ!』(1992)の番組資料としてまとめられ、『週刊エコノミスト』2000号(1992)に論文として掲載されたもの。ヤクザや暴力団についての概要を知るための資料。17分割で再録。著作権は著者が保持。

* 以下は『週刊エコノミスト』1992年掲載当時のままの原稿の再録です。

8)戦後混乱復興期とヤクザ勢力の新旧交代:40年代後半

終戦と同時に、戦勝国でも敗戦国でもない「第三国人」すなわち中国人、台湾人、朝鮮人は、日本人の支配から解放されることになったが、しかし、報復のために暴徒となる者も少なくなかった。台湾人は〈台湾省民会〉を、朝鮮人は〈在日朝鮮人連盟〉を組織し、同様に日本人も復員兵らがさまざまな「愚連隊」を組織し、その一部は貨車や倉庫を襲撃して物資を掠奪し、ヤミ市を開き、暴利を得るようになっていった。そして、このような第三国人や愚連隊の間で物資の奪い合いの抗争が繰り広げられることになった。この混乱に対しても、武装解除をさせられていた警察は、手の打ちようがなかった。また、児玉のような右翼はもちろん、戦争中の政治関係者の多くが戦争犯罪者として占領軍によって逮捕され、また、関係軽微の者でも翌46年には約21万人が有無を言わせず公職追放を受けたため、日本は民間指導者のほとんどを失い、混乱状態を収拾するものは武力しかなくなっていた。


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