「ビンラディン襲撃リアルタイム視聴」の写真(動画)

写真拡大

Ryan Singel

Photo:Pete Souza/White House

ホワイトハウスが5月2日午前10時(太平洋夏時間)、『Flickr』内のホワイトハウス公式ページに追加した写真が話題になっている。オバマ大統領やバイデン副大統領、クリントン国務長官をはじめとする米国政府高官が、ホワイトハウス地下にある危機管理室[シチュエーション・ルーム]に集まり、パキスタンにあるオサマ・ビン・ラディン容疑者の潜伏先に米海軍特殊部隊が奇襲攻撃(日本語版記事)をかけている様子をライブで視聴している写真だ[撮影は5月1日]。

[危機管理室は、ホワイトハウス西棟にある。「毎日2000件の情報を統合し、大統領に報告している。最新の設備を使ってビデオ会議を開催、緊急時でも即座に情報を収集できるような通信機器を備えている」ホワイトハウスが制作した紹介動画(日本語訳は米国大使館)]

最初に掲載した写真は、才能あるホワイトハウス専属カメラマンPete Souza氏が撮影したもので、同日午後3時30分までにFlickrで39万回閲覧された。5月4日正午までには、閲覧回数は170万回にも達した。[Pete Souza氏は、Apple社のSteve Jobs氏を含むシリコンバレーの企業トップたちがオバマ大統領と会食した時の写真も撮影した人物。これまでのホワイトハウスでの写真を紹介した日本語版記事はこちら]

オンラインにいるコメンテーターたちは、即座にこの写真のニュアンスに食い付き、クリントン国務長官が使っているノートパソコンの機密性はどのくらいであるかなど、価値ある情報の分析を進めた。

写真の投稿からほどなく、リミックスをする人々も現れ、キャプションを追加したり、フットレタッチでネズミやネットの有名人の写真を合成したりするようになった。米国政府の写真には著作権は無く、自由に公開・編集ができる。[読者による「合成写真人気コンテスト」については(2)で紹介]

Yahoo傘下にあるFlickrは、一般の人々が写真を共有する場でもあるが、ブロガーらにとっては、事件があったときに公式写真や人々による写真を探すインフラとしても重要になってきている。

例えば、英国王室ではFlickrの公式ページを使って、ケンブリッジ公とケンブリッジ公夫人(つまりウイリアム王子とCatherine Middletonさん)の結婚式の公式写真を配信した(こちらは著作権付きだ。)

この写真は140万回閲覧されている。FlickrがWired.comに語ったところによると、ロイヤル・ウエディングの写真全体では、4日までに4500万回のページビューを記録しているそうだ。

Flickrはさらに、ニュージーランド地震の復旧作業の様子を伝える際には、ユーザーが投稿した多数の写真が使われ、3月に日本で起きた震災でも、日本のネットユーザーによる投稿写真が大いに活用されたと指摘している。

Flickrの写真は多くがCreative Commonsライセンスであり、クレジットを載せる限り掲載やリミックスが自由というものが多い。ブロガーや、Wired.comのようなニュースサイトにとっては巨大なリソースになっている。また、Flickr's The Commonsプロジェクトでは、米国政府が所蔵する過去の写真やスコットランド国立図書館の資料など、著作権の無い写真が大量にある。

写真を共有する場所としては最近はFacebookに抜かれているが、Flickrは「写真のインフラ」となっているのだ。

(2)へ続く

[日本語版:ガリレオ-藤原聡美/合原弘子]

WIRED NEWS 原文(English)

  • 「ビン・ラディンの隠れ家」襲撃直後の動画2011年5月3日
  • 専属写真家が捉えた米大統領:キヤノンのカメラとFlickr公開2009年5月12日
  • スミソニアン協会の画像が『Flickr』に2007年5月28日
  • 『Flickr』投稿写真がリアルタイムで世界地図に2007年5月29日