日本対パラグアイ戦の公式記録によれば、両チームのボール支配率は47パーセント対53パーセントとなっている。パラグアイが序盤から上回っており、前半だけなら43・5対56・5まで差が拡がる。

なかでも極端なのは、15分から03分までの支配率だ。30・5対69・5となっている。日本がもっとも押し込まれた時間帯であり、パラグアイが前半に記録した5本のシュートはこの15分間に集中する。

22分、オルティゴサとのコンビネーションから、サンタクルスがペナルティエリア内でフリーになる。24分、カマチョが左サイドを突破し、バリオスがヘディングシュートを放つ。27分、中盤左サイドからドリブルで持ち込まれ、パスを受けたバリオスがミドルレンジから右足を振り抜く。

日本が相手陣内へ入り込むのは、31分の長友の突破まで待たなければならない。16分の栗原のヘディングを最後に、15分以上にわたって一方的に攻め込まれたのである。パラグアイよりランクが上の相手なら、前半のうちに勝負を決められていてもおかしくなかった。

かくもワンサイドな時間帯となった原因は、日本が自ら作っていた。

きっかけは18分だった。中澤からパスを受けた中村が、自陣右サイドでボールを失う。パラグアイのショートカウンターとなり、カマチョがドリブルで持ち込む。ペナルティエリア内に侵入してくる。PKを避けたい中澤はコンタクトできず、カバーした細貝がギリギリでクリアした。