過激なテンションはコメディのよう? 「絶叫気象予報士」に絶賛の嵐。

写真拡大

天気を分かりやすく視聴者に伝えるため、いろいろな趣向を凝らす天気番組や予報コーナー。日本では「お天気お姉さん」といった美人キャスターが人気を集めたり、石原良純やカラテカ矢部太郎のように、タレントが気象予報士の資格を取得するケースも出てくるなど、昨今はエンターテインメント性も重要になってきているが、米国では一風変わった男性気象予報士が話題を呼んでいる。彼の天気予報の特徴は、常識を覆すほどの動きの激しい解説。大きなジェスチャーを交え、絶叫しながら天気を伝えるという、かなり個性的な気象予報士だ。

この男性は、米気象専門サイト「AccuWeather.com」のジム・コゼックさん。エンターテインメント的な演出は大事にしながらも、比較的淡々と伝えることが多い天気予報だが、コゼックさんは独自のキャラクターを全開にさせながら天気を解説する。それはまるでコメディ俳優のようで、静と動のメリハリが非常に激しい、コゼックさんにしかできない天気予報だ。

コゼックさんの天気予報は「AccuWeather.com」で配信されているが、YouTubeに投稿されている動画「AccuWeather.com Snowpocalypse Now! Meteorologist Freakout」(http://www.youtube.com/watch?v=kpxiCxO5k0g)でも、その様子を確認できる。足をやや開き、力を抜いた少しだらしない感じの姿勢で映しだされたコゼックさんの第一声は、静かに「Oh Boy(なんてこった)」。この動画は2月5日のメリーランド州ボルチモアの天気予報を伝えたもので、当日はボルチモアに大雪が降ると予想されており、それを端的に示すための第一声が「Oh Boy」だったというわけだ。

最初は淡々と語っているコゼックさんだが、本題に入ると徐々にテンションが上がり、ついには「我々を麻痺させる壊滅的、記録的な嵐が今日やってくるんだー!」と絶叫。ここで、大きく「ふぅー」と一息つくと、再び冷静に天気予報の解説を始める。交通障害や電気などのライフラインに対する影響への注意を呼び掛ると、今度は「14インチ(約36センチ)から22インチ(約56センチ)の雪が降るぞー!」とまた絶叫。しかし、その直後にはまた冷静に話し出し、そうかと思えばまた両手を広げて大声をあげたりと何とも忙しい。こうした感じで進みながらも、最後は真面目に番組を締めるため、非常に不思議な印象に包まれる。

この動画がYouTubeに投稿されると、徐々に米国やオーストラリアのメディアで報じられ、2月17日時点では約100万回再生を記録。1,400件以上寄せられているコメントには、第一声を気に入って「Oh Boy」と書きこむ人が多数見られるほか、「みんな見たほうがいい」と、称賛の声がズラリと並ぶ。

「AccuWeather.com」の気象予報士紹介ページを見ると、コゼックさんは45歳で、この道23年のベテラン。好きな音楽の項目には“クラシックロック”と並んで“へヴィーメタル”とある。妙に納得だ。

米紙ワシントン・ポストによると、コゼックさんがこのスタイルを始めたのは10年くらい前からだという。「AccuWeather.com」責任者のケン・リーブスさんは、「ジムの明るいスタイルは、我々が現在置かれているインターネット時代にとても合っている」と絶賛。毛皮の帽子やエプロンを付けたり、ハロウィンの衣装やぬいぐるみの着ぐるみで出演するときもあるなど、とにかくエンターテイナーなコゼックさん。今後もいろいろな話題が提供されるよう、活躍に期待したい。