担当M(以下M):近ごろ世間からの風当たりが強い話題に、新しいデザインのユニフォームと犬飼会長の浦和に対する意見の多さがありますが……。

ラモス(以下R):ユニフォームにはやっと胸に日の丸が入ったでしょ? しかも歴代のユニフォームから作った日の丸でしょ? 最高ですよ。何が悪いの。胸元の赤もいいじゃない。このデザインで悪いと言うのなら、正直に言って今までのユニフォームは全部悪いよ。本当はどれもよくない。

だって日の丸でしょ? 使っている色は赤ですよ。韓国や中国が赤だというのは関係ない。日の丸は白地に赤なんだから。韓国や中国と試合をするときは、白いアウェイユニフォームでいいんですよ。それにいろんな国で赤い強いチームが多いじゃない。だから日本は赤にすべき。僕は赤が入ってうれしいですよ。

M:そう言えばラモスさんが代表に選ばれたころは赤いユニフォームでしたよね。

R:ところで犬飼会長にはなぜ風当たりが強いの?

M:日本サッカー協会の会長なのに、一つのクラブの運営について何度も口を開くのはいかがなものかと……。

R:そういう考え方って本当におかしいと思いますね。だってまず考えてみると、ビッグクラブの浦和が優勝を狙わないなんて今年のシーズンはおかしかったんですよ。優勝できなかったのなら当然監督の問題ということになるはずだけど、みんななかなか口に出さない。マスコミがまずどこがどう悪いとか書けばいい。だけどどこも書かないでしょう? だから犬飼会長は自分が話すことで話題になって、マスコミが取り上げると計算して言っているんだと思いますよ。

だけど勘違いしちゃいけないのは、会長は浦和を潰そうと思ってやってるんじゃないだろうということ。浦和に対する愛情があるから言ってるんですよ。だって文句を言う人ってそんな役回りじゃないですか。言うことでたとえば浦和のサポーターの半分を敵に回すかもしれない。それでもあえて口を開いているんですよ。

M:ラモスさんも正直に話すことで反発されてきましたよね。

R:僕は今でもいろんな人に文句を言ってもらったことに感謝していますよ。川淵三郎さん(前日本サッカー協会会長)、木ノ本興三さん(元Jリーグ専務理事)、岡野俊一郎さんと亡くなった長沼健さん(ともに元日本サッカー協会会長)、佐々木一樹さん(日本サッカー協会理事)、小倉純二さん(日本サッカー協会副会長)、みんなから呼び出されて、何度もめちゃくちゃ言われましたよ。カリオカ、ふざけるんじゃないよって。僕は一度もイヤだと思わなかったし、逆にうれしかったですよ。

M:犬飼会長はシーズンの秋春制移行問題についてもいろいろ話をしていらっしゃって、これまた北日本のクラブのサポーターから反対意見が出ています。

R:僕は秋春制ってよくないと思う。だけどその話もどんどんみんなで話題にしていけばいいんですよ。だから犬飼会長はどんどん思っていることを言うべきですよ。それでもっとみんなでいろいろ話すことが大事なんだから。意見を言う人を潰そうとしちゃいけない。僕もどんどん意見を言い続けていきたいと思いますね。

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ラモス瑠偉ラモス瑠偉プロフィール
1957年2月9日、リオデジャネイロ(ブラジル)生まれ。
1989年11月、日本に帰化し、1990年北京アジア大会、
1992年アジアカップ、1993年ワールドカップ予選などで日本代表の中盤をリードした。
竹を割ったような性格で、厳しく文句も言うけれど、一方で面倒見の良さでも知られている。

オフィシャルウェブサイト
リストランテ・カリオカ