ラモス瑠偉の「ふざけないでマジメにやれ!!」 vol.1

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担当M(以下M):日本代表の今後のスケジュールも発表されました。でもベスト4という目標のわりに今ひとつ盛り上がりに欠けますね。

ラモス(以下R):岡田監督とは近頃連絡してないんで、どうしてベスト4って言ったのかわからないけど、そんな目標はありえないでしょ。

M:おや、いきなり厳しいですね。

R:だってまだ組み合わせも決まってないんですよ。これまでの日本は組み合わせに恵まれてきたけど、今回はそんなことないでしょ。日本はどことやっても勝つという実力を持っているわけじゃないんだから、だったら組み合わせが決まらないと何も言えないよ。

M:じゃあ今の段階ではベスト4と言うのはおかしいと。

R:おかしい、おかしい。だって本気でベスト4って言うのなら、ワールドカップ出場決まった後のホームのカタール戦はちゃんと勝ってないとダメ。だってあの試合、出場決まったのに6万人も来てくれたんですよ。それなのにあんな戦いぶりじゃ信用してもらえないって。オーストラリア戦はアウェイだったからやられてもまだわかるけど、ホームじゃ勝たないと。

M:ワールドカップ出場という目標は達成したし、ウズベキスタンでの厳しい戦いが終わったばかりで疲れていたと思いますけどね。

R:それはわかる。ずっとプレッシャーもあって、ホントにしんどかったと思うけど。でも、あの戦いじゃワールドカップベスト4って言っちゃいけない。苦しい中でもちゃんと結果を出すから上に行ける。そのためにはもっと一人ひとりが成長しないとダメ。あと1年あるから、ちゃんと反省してやってほしい。

M:じゃあ、ラモスさんはどんな目標だったらいいと思ってますか?

R:2つあって、そのどっちかじゃないかと思いますね。一つはどうせなら決勝戦に出ようよ、っていうこと。高い目標を掲げてみんなでそれに向かって努力する。でもあまり高い目標だと現実味がなくて選手も見ているほうも困ると思う。だからもう一つはベスト8という目標。

M:これまでの最高がベスト16ですからね。

R:だからベスト8。まずトーナメントの最初を突破する。一歩ずつですよ。それに世界のベスト8にはすごい国がたくさん出てくるから、ベスト8で惨敗することもあると思いますよ。優勝するチームと日本には力の差があるから。だけどベスト8に行けたらスッゴイことだと思う。たとえ準々決勝でボロボロにされても、オレは空港に出迎えに行きますよ。

M:出迎えと言わず、南アフリカに行きましょうよ。

R:そうだよね、行きたいね〜!!

■ラモス瑠偉プロフィール
1957年2月9日、リオデジャネイロ(ブラジル)生まれ。
1989年11月、日本に帰化し、1990年北京アジア大会、
1992年アジアカップ、1993年ワールドカップ予選などで日本代表の中盤をリードした。
現役時代はテクニックとともに試合の流れを的確に読む力は群を抜いており、
その応用力の高さからFWからDFまでこなすことができた。
竹を割ったような性格で、厳しく文句も言うけれど、一方で面倒見の良さでも知られている。
オフィシャルウェブサイト
リストランテ・カリオカ