2日、栗東トレセンにニューポリトラックコースがオープンした。芝コースの外にあったDWコースを改修し、幅員が10mから14mに拡張。電線被覆材、ポリエステル不織布、ポリウレタン繊維、硅砂、ワックスなどを混合した素材でできており、天候による影響が少ないため「全天候型馬場」として世界各国で導入、日本では美浦トレセンですでに使用されている。

 オープンに先駆けて行われた試走会では「クッションの良さをすごく感じる。馬も走りやすそうだし、かなりクオリティーは高い」と、参加した武豊騎手は絶賛。福永騎手も「幅員が広く、いろいろなフォーメーションで併せ馬ができ、調教のバリエーションが増やせる」と、様々な効果が期待できると口にしていた。

 高い期待を集め開設されて3週間。だが「ニューポリトラックコースができたことによる弊害が生じた」と、あちこちから聞こえるようになった。「DWコースが無くなったのは痛い」と。

 西高東低が叫ばれる競馬会にあって、栗東トレセンの充実した設備が大きく影響を及ぼしてきたことは良く知られている。特に坂路コースができてからは年々勝ち星を増やしてきたことは有名だが、時計の出る軽いCWコースと、時計は出ないが負荷の掛かるDWコース、この2本のWコースをうまく活用して強い馬を作り上げてきたのもまた事実。

 あのディープインパクトはDWコースで鍛錬され頂点を極め、GI12勝の名伯楽・松田博師はDWコースで馬を仕上げることに定評があり、先日の秋華賞で3冠を逃したブエナビスタもDWで鍛えた1頭だった。ポリトラックコース開設後はCWコース中心の調教を余儀なくされ、もしかすると、それが敗戦に繋がった可能性も考えられる。

 競走馬の脚へかかる負担が少なく済むなど、ニューポリトラックの効能は諸説あるが「ポリの効果で美浦の馬が劇的に強くなったとは思えない」(栗東関係者)ように、競走能力を高める効果はどれほどのものなのか、結果としてあまり出ていない部分もある。 ニューポリトラックコースの開設とDWコースの廃止。これが、関西馬の馬作りにどのような影響を及ぼすのか。今後注視していきたいところだ。