中国の若い女性の手首で光るキャラ「痛金」 富や幸せの象徴、日本のオタク文化と融合

アニメキャラクターを金(ゴールド)でかたどった装飾品「痛金」が中国で若い女性をとりこにしている。豆粒大が一般的でブレスレットなどのパーツとして身に着ける。中国紙によると、他の金製アクセサリーの2〜3倍と高価だ。「推し」がもたらす癒やし効果が魅力だが、日本のキャラを無断使用した違法な商品も多数出回っている。(共同通信香港支局=渡辺哲郎)
日本にはアニメキャラクターの図柄で車体を装飾した「痛車」や、缶バッジなどで飾った「痛バッグ」がある。「推し活」の一環で、他人には恥ずかしいと映りかねない行為を「痛い」と表現する俗語が由来とされる。共産党機関紙、人民日報系の環球時報によると、痛金の源流はこの「痛文化」にある。富や幸せの象徴として金を好む中国文化と日本のオタク文化が融合したと言える。
広東省広州市の大型商業施設。大手宝飾品店「周生生」の店舗にはハローキティの痛金が並ぶ。サンリオとIP(知的財産)の契約を結び、約0.5グラムの純金で作ったブレスレットは2370元(約5万5千円)だ。隣のライバル店「周大福」は人気キャラ「ちいかわ」の痛金の正規品を販売。春節(旧正月)前に客が殺到し、在庫切れになった。
ディズニーのキャラ「リーナ・ベル」の痛金を愛用する30代の女性会社員は「金は価値が下がらないのが魅力。仕事がつらい時などに眺めると心が安らぐ」と話す。
同省深セン市の水貝地区にある中国有数の金市場。小売店舗にはクレヨンしんちゃんやウルトラマンといった日本の人気キャラの痛金が目立つが、作りは粗雑だ。IPを侵害した商品とみられる。
母親と痛金を探していた20代女性の手首には、ハローキティを模した金の飾りが光る。女性は「好きなインフルエンサーが買ったのを見て自分も買った」と話した。
水貝の店主は、この市場で流通する痛金は「深センの工場から買い付けているが、ライセンスは取得していないだろう」。店頭に並べた商品より精巧な痛金を大量に取り出し「正規のコラボ商品を違法にコピーした」と明かした。







