多くの人が知らない「インフラ危機の実態」…「補修未実施」が多い都道府県・市町村をご存知ですか?

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日本はこのまま崩れ去ってしまうのか? 道路、鉄道、水道、インフラ、橋……なぜ全国各地で次々に事故が起きるのか? お金も人も足りない……打つ手はあるのか?

注目の新刊『日本のインフラ危機』では、私たちの暮らしを揺るがす「大問題の正体」を豊富なデータと事例から解き明かす。

(本記事は、岩城一郎『日本のインフラ危機』の一部を抜粋・編集しています)

NHKによるインフラ調査

国内外でインフラ事故が起き、そのメンテナンスが重要視されてきていますが、その実態はどうなのでしょうか。

たとえば、NHKは国土交通省が公開している「全国道路施設点検データベース」と情報公開請求で得られたデータをもとに、道路橋の補修状況について管理者別に分析をおこなっています。

その結果、対策が必要な橋のうち手を付けられていない補修未実施の橋の割合は、国が33%、都道府県が37%、政令市が63%、市区町村が60%となりました。点検の結果「対策が必要」とされながら、手が付けられていない橋やトンネルの数は全国で3万3390ヵ所(橋3万2320ヵ所、トンネル1070ヵ所)もあることになります。

また、国が求める「5年」を超えて対策に着手できていない橋の割合については国が0%、都道府県が4%、政令市が15%、市区町村が16%と、やはり政令市や市町村で高い傾向がみられました。その数は橋6967ヵ所、トンネル74ヵ所で、合計7041ヵ所に上ります。

都道府県別(図表1-11)にみると、対策ができていない橋の数は、新潟県が648、福島県が537、山口県が406、長野県が356、宮城県が281と、地方の県で多い傾向があります。このうち新潟県や福島県、長野県は県の中でも面積が広く、インフラの数も多いことが理由に挙げられます。

続いて市町村別のトップ10(図表1-12)をみると、未実施数が多いのは、岡山県岡山市、新潟県新潟市などの地方の政令市や、新潟県長岡市、鳥取県鳥取市など地方の施行時特例市・中核市となっています。これらの市では概して多くの管理橋梁を抱えているという特徴があります。

さらに5年以上補修未実施数(図表1-13)でみると、新たに北海道釧路市、新潟県佐渡市、さらには福島県南会津町といった地方の一般市や町もランクイン。これらの自治体は橋梁数に加え、人口減少や予算上の問題もあり、補修に移行できない問題が浮き彫りになっています。

全体としては新潟県および新潟県内の市で未実施数や5年以上未実施数が多いという結果でした。なぜ新潟なのでしょうか?

その理由として、新潟県内はもともと河川が多く、橋の数も多いことに加え、日本海に面していて海水の影響を受けやすいこと、降雪の影響を受けやすいことなどにより、橋が劣化しやすいことが影響していると考えられます。

さらに、「日本はこのまま崩れ去ってしまうのか…意外と気づかない「インフラ危機」本当の実態」」では、いま大問題として迫っているインフラ老朽化問題をひきつづき見ていく。

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