Photo: Kyle Barr - Gizmodo US

発表直後から買うって決めていた人は、すでに入手して週末あれこれ設定して触ってみたことと思います。Apple(アップル)のラップトップ最新モデルMacBook Proの話です。M4チップシリーズを搭載し、Apple Intelligenceのために設計されたという2024年版MacBook Pro。

以下、発売前からレビュー機として使用していた米Gizmodoによる触り心地レビューです。

古いものも一周回って新しく感じるなんて言うことがありますが、発売されたばかりのM4 Proチップ搭載新型MacBook Pro(16インチ)に限っていえば、それ、絶対ありません。

古いモノは古い、新しいモノは新しい。過去の時代を超えてこそ…な精神。とはいえ、既存のMacBookの精神も健在。パワフルで、長持ちで、言い換えればアップデートのタイミングが難しい存在。それがMacBook Proです。

今回アップデートされはMacBook Proは、14インチと16インチ。14インチモデルはM4、M4 Pro、M4 Maxのチップを、16インチモデルはM4 Pro、M4 Maxのチップを選ぶことができます。

もちろん性能でいえば、無印 < Pro < Maxです。M4 Proのチップ性能でいうと、デスクトップに搭載されるレベルのチップといい勝負。20コアGPUで、レンダリングもスピーディだし、ゲームもそこそこいけます。去年のM3 Max搭載モデルよりもパワフルです。

今回レビュー機として使用したのは、16インチのM4 Proチップ搭載モデル。CPUは14コア、GPUは20コア、メモリ48GBでストレージ容量2TB(オプション+9万円)。お値段は3,500ドル(日本での価格は54万8800円)。最上位チップM4 Maxのエントリーモデルもこのあたりの価格。ちなみに16インチのエントリーモデルの最安値は39万8800円。

…高い。めちゃくちゃ高い。

昨今人気のゲーミングパソコンなら、Lenovo Legion Pro 7iが同スペック帯で数万円安く手に入ります。なので、やっぱりApple税と言いますが、スペック以前にどうしてもAppleがいい、MacBookがいいという人であることが大前提ですね。特にゲーマーはAppleがどれだけゲーム推ししても、対応タイトルが増えているといっても、やはりゲーミング端末を選ぶのがいいでしょう。

性能は文句なし。ただしゲーマーにとっては…?

Photo: Kyle Barr - Gizmodo US

正直見た目には、去年のM3チップ搭載MacBook Proや、その前のM2/M1搭載MacBook Proと大差ありません。ですがアピールしたいのは中身、その性能です。M4 Proチップは、昨年のM3 Maxに勝る! それどころか、私がM4 Proってこんなもんかなと予想していた性能にも勝る!

2024年モデル最安値の無印M4チップ搭載14インチMacBook Proと比較しても、かなり大きな差が出ます。Geekbench 6のスコアは、マルチコア設定で7,800ポイント近いです。また、4K動画を1,080pに変換したHandbrakeテストも、M4搭載14インチ、M3 Max搭載2023年モデルと比べると、(当たり前ですが)M4 Pro搭載16インチがベストスコア。

グラフィックスに特化したテストでは、M3 Max搭載2023年モデルと同等以上。ただ、CPUテストのBlenderでは、M3 Max搭載2023年モデルにほんの少しだけ劣りました。BMWの動画を1分34秒のシーンにレンダリングするというテスト内容ですが、M3 Maxにわずか2秒差で勝てず。

Intelチップ(Intel Core i9-14900K)と比較しても、Geekbench 6で、シングルコア600ポイント、マルチコア1,900ポイントの差を付けて勝利。内蔵GPUのデスクトップには負けるでしょうが、それでもIntel Core i9-14900HX(Razer Blade 16などに搭載)よりは、マルチコア200ポイント差でM4 Proチップの勝ち!

Apple的には、M4 Proはゲーム対応チップと考えているような。M4はレイトレーシング処理をハードウェア側で加速サポートできますし。

「Myst」をフル画質&フルレイトレーシングでプレイしたところ、平均して60FPSほどでした。ですが、一部水面の画にグリッチが見えました。『バイオハザード RE:4』では、画質1,920×1,200の設定でフレームレート100から120FPS。画質マックスだと45から60FPSほど。『DEATH STRANDING DIRECTOR'S CUT』も同様でした。『バルダーズ・ゲート3』では、屋内で90FPS、屋外では60から70FPS。ただし画質は低め。画質を上げるとなると、AMD FSRをONにするか、別の設定を下げるかしじゃいとキツい。てことで、Macでプレイできるタイトルは、ほぼ許容範囲でプレイできるといっていいでしょう。

ゲームが最優先ならゲーミングPCを選ぶべきですが、ゲームもする程度なら問題なし。

なくならないノッチ

Photo: Kyle Barr - Gizmodo US

…あるんですよね、ノッチが。いつ全面スクリーンになるんでしょう?

Liquid Retina XDRディスプレイが美しいだけに、どうしても(個人的には)ノッチが気になってしょうがない。iPhoneの「Dynamic Island」は賛否両論ありますが、でもMacBookのただのノッチよりはマシじゃない?

iPad Proが有機EL化したのを横目で見ていると、いいなぁとしか思えない。MacBookはいつなのかなぁ。

ディスプレイそのものでいうと、今年の16インチは去年のM3搭載モデルよりもマットな印象。横に並べて比較するとそれが明らかです。

ちなみにレビュー用には、14インチはグレアを低減させるNano-textureディスプレイ、16インチは標準ディスプレイが届いたのですが、あまり違いは感じませんでした。これはディスプレイがとても明るいからかな。日光ガンガン当たる場所でも、あまりディスプレイの見やすさは変わらなかったように思います。なので、個人的にはこのオプションは飛ばして節約する方を選びますね。

ポートは去年モデルのThunderbolt 4から、今年はThunderbolt 5になったのがメリット。今年のMacBook Proは全モデル(Mac mini含む)でアップデートされています。データ転送速度はThunderbolt 4が40Gbps、Thunderbolt 5最大80Gbpsなので倍になったわけです。

一部の人にとって期待はずれなのは、8K複数モニター非対応なこと。M4 Proチップ搭載16インチは、自身のディスプレイ画質が3,456×2,234。外部モニターは2台で、6Kのリフレッシュレートは60Hz。HDMI経由なら4Kで最大144Hzに6Kで60Hzいけますが、そうるとMacBook自身のスクリーンはなしに。外部モニターの数と画質が必要な人は、M4 Max搭載モデルがよろしいかと(Thunderbolt経由なら6Kモニター3台いけます)。

1つ気になったのは、なぜかWi-Fi 7には対応しなかったこと。なぜ?

バッテリーはさすがの素晴らしさ

Photo: Adriano Contreras - Gizmodo US

Macはバッテリー持ちがいいことでおなじみ。M1、M2、M3からM4になってもそこは変わりません。公式いわく、動画ストリーミングなら最大24時間、ウェブ観覧なら最大17時間。

編集部のYouTubeをひたすら流しまくるテストでも、公式とほぼ同じ結果が出ました。14時間で50%に、27時間でバッテリー終了でした。

ただ、この高スペック高価格の端末を買う人が、ウェブ観覧するだけのはずはないので、実際に使用するともっと早く尽きるのですが。

性能と価格を天秤にかけると…

Photo: Adriano Contreras - Gizmodo US

やはり買い替え推奨ターゲットとなるのは、まだIntelチップ搭載のMacBook Proを使っているAppleユーザーの皆さん。買い替えを悩んでいるとしたら、もちろんありです。性能アップグレードをひしひしと感じるはず。しつこいですが、ゲーマーはゲーミング端末買うべき。

性能のアップグレードは間違いない2024年のMacBook Pro。長く使える端末なのも確か。だからこそちょっと欲を出して言わせてもらうと…、このデザインちょっと飽きたな。

今回アプデされたのは主にチップ、つまり目に見えないところ。もうずっと外見に大きな変化はありません。これから長く使うだろうと思えば、ここらでちょっと見た目の変更があってもよかったかなぁ。飽きたってだけで、何か不満があるわけじゃないんですけどね。

最後に、Appleが今回の新型MacBookでアピールしているApple Intelligenceに、まったく触れていないのはなぜか。それは正直なところ、現段階ではApple Intelligenceの存在がMacの使い方に影響しないからです(M4チップのNPU性能は確かに上がっています)。レビュー中にベータ版macOS Sequoia 15.2を入れて、ChatGPT統合Siriを試してほしいといわれたので試してはみましたが、Macの使用感、体験が変わることはありませんでした。あくまでも、「今は」ですけどね。

いいところ:無印M4&去年のM3 Maxを凌駕するハイパフォーマンス。バッテリー持ちよし。 Thunderbolt 5ポートありがたい。スクリーンが少し明るくなってグレアが低減している。

残念なところ:高い…ほんと高い。フレーム、キーボード、トラックパッドのアプデスピードが、その他の要素に追いついてない。

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