7月11、12日に円買い介入=3.1兆円と2.3兆円―財務省
財務省が8日発表した7〜9月期の為替介入実績によると、政府・日銀は急速な円安進行を抑えるため、7月11日に3兆1678億円、12日に2兆3670億円の円買い・ドル売り介入を実施した。
介入は直ちに実施の有無を公表しない「覆面」の形で行われ、実施日と、各日の介入規模が今回明らかになった。
覆面介入は、いつ介入が行われるか分からない疑心暗鬼に市場参加者を陥らせ、警戒感を高める狙いがある。7月11日夜は米消費者物価指数の発表後、1ドル=161円台で推移していた対ドルの円相場が157円台に急上昇。12日夜も159円近辺から157円台に急騰した。
政府・日銀は、1ドル=160円台を付けた4月29日に円買い介入としては過去最大となる5兆9185億円の介入を実施。5月1日にも3兆8700億円の介入を行い円安を抑え込んだが、6月後半から7月前半にかけて再び160円台に下落していた。
外国為替市場では、米大統領選でトランプ前大統領が優勢となった今月6日、急速に円安が進んだ。加藤勝信財務相は8日の閣議後記者会見で、こうした動向について「一方的な、急激な動きが見られる」と説明。「投機的な動向も含め為替市場の動向を極めて高い緊張感を持って注視するとともに、行き過ぎた動きには適切な対応を取っていきたい」とけん制した。