東京地裁立川支部

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 指示役「ルフィ」らによる一連の強盗事件のうち、東京都狛江市の住宅で住人の高齢女性が死亡した事件などの実行役として、強盗致死罪などに問われた永田陸人被告(23)の裁判員裁判で、東京地裁立川支部は7日、求刑通り無期懲役の判決を言い渡した。

 菅原暁裁判長は「犯行態様は拷問ともいうべき、執拗(しつよう)で極めて残忍なものだ」と述べた。

 判決によると、永田被告は昨年1月19日、ほかの実行役3人らと共謀し、宅配業者を装って女性(当時90歳)宅に侵入。女性の両手を結束バンドで縛った上で暴行を加えて死亡させ、腕時計を奪うなどした。

 一連の事件は「ルフィ」などと名乗る今村磨人被告(40)(強盗致死罪などで起訴)ら指示役3人が、秘匿性の高い通信アプリを通じ、SNSの「闇バイト」の募集に応じて集まった永田被告ら実行役に指示して引き起こされたとされる。

 判決では、永田被告が実行役のリーダー格を担っていたとした上で、状況によっては指示役に従わず、独自の判断で他の実行役を指揮していたと認定。女性をバールで殴るよう他の実行役に指示するなど致命的な暴行を主導したことも踏まえ、「永田被告の責任は他の実行役を大きく超えるものだ」と断じた。

 永田被告は公判で、狛江市の事件について「金を取ることが目的だった」と主張した。ただ、逮捕後に反省を深めたといい、亡くなった女性への現在の気持ちを問われると、「ごめんなさいとしか言えない」などと反省の弁を繰り返していた。

 公判で弁護側は有期懲役刑を求めていたが、判決は永田被告が反省していることは認めながらも、「事件の重大性に照らすと有期懲役刑を選択すべきほどのものとはいえない」と退けた。