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 ◇ワールドシリーズ第1戦 ドジャース6−3ヤンキース(2024年10月25日 ロサンゼルス)

 ドジャースの大谷翔平投手(30)が25日(日本時間26日)、本拠でのヤンキースのワールドシリーズ第1戦に「1番・DH」で先発出場。3打席凡退して迎えた第4打席でWS初安打となる右翼フェンス直撃の二塁打を放ち、ムーキー・ベッツ外野手(32)の同点犠飛をおぜん立てした。チームは延長10回にフレディ・フリーマン外野手(34)がワールドシリーズ史上初となる逆転サヨナラ満塁弾を放って勝利を収め、先勝した。

 1―2の8回1死走者なしで迎えた第4打席で大谷のバットが快音を響かせた。ヤンキースの3番手右腕ケンリーに対し、1ボールからのチェンジアップを捉えると、打球速度113.9マイル(約183.3キロ)の痛烈な打球が右翼ソトの頭上を襲ったが、打球は惜しくも右翼フェンスに直撃。二塁への返球がそれる間に三塁へ進塁した。そして、次打者ベッツが代わった4番手の守護神ウィーバーから中堅へ犠飛を打ち上げ、ドジャースが8回に追いつく粘りを見せた。

 チームは延長10回にヤンキースに1点を奪われたが、それでは終わらなかった。1死からラックスとエドマンの四球と安打で1死一、二塁。大谷は左邪飛に倒れたが、この飛球を捕球した左翼バードゥーゴが観客席へ入ったため、二塁走者の代走テイラーが三塁へ進塁。ベッツが申告敬遠で歩かされたが、フリーマンが右越えに劇的なサヨナラ弾を放った。大谷もベンチから興奮気味に飛び出し、本塁でフリーマンを笑顔で出迎えた。

 初回の守りは先発フラーティが失策も絡んで2死一、二塁のピンチを招きながら無失点。その裏の攻撃で大谷がコール相手に初球攻撃を仕掛けた。95.8マイル(約154.1キロ)の外角直球を狙いすまして捉えると、中堅へ大飛球。角度良く上がった打球に本拠は大歓声に包まれたが、中堅フェンス手前、373フィート(約113.6メートル)地点で中堅ジャッジのグラブに収まった。2死後に右足首を捻挫しながら強行出場する3番フリーマンが左翼線へ安打を放ち、左翼手がもたつく間に激走して三塁打としたが、4番のT・ヘルナンデスが遊直に倒れた。

 メジャー7年目で初のポストシーズンは、ここまでの全11試合に出場し、打率.286、3本塁打、10打点。得点圏では9打数6安打、打率.667と驚異的な勝負強さで打線をけん引してきた。WSでアーチを描けば、日本選手では2003、2009年の松井秀喜以来、2人目。また、あと1本でPS4号となり、こちらも日本選手最多の松井に並ぶことになる。

 ドジャースとヤンキースの東西名門がワールドシリーズを戦うのは1981年以来43年ぶり12度目。大谷とジャッジとの両リーグ本塁打王同士の対決に周囲の注目度も例年になく高まっている。