6年前に病死とされた男性、不凍液で殺害された疑い…息子夫婦を再逮捕

写真拡大 (全2枚)

 東京都台東区の夫婦が自動車用の不凍液を当時4歳の次女と夫の姉に飲ませて殺害したとして逮捕された事件で、警視庁は25日、夫の父親も同様に殺害していたとして、元会社役員で無職の細谷健一(43)と妻・志保(38)の両被告(いずれも殺人罪で起訴)を殺人容疑で再逮捕した。

 夫婦の逮捕は3回目。警視庁は、父親の会社の経営権や遺産を得る目的があったとみて、調べている。

 発表によると、夫婦は2017年8月頃〜18年6月頃、健一被告の父・勇さん(当時73歳)に対し、台東区今戸の勇さん宅などで、不凍液に含まれる化学物質「エチレングリコール」を摂取させて敗血症に陥らせ、18年6月5日に殺害した疑い。いずれも黙秘している。

 勇さんは17年3月頃に体調を崩して入院。難病の「再生不良性貧血」と診断され、入退院や転院を繰り返した末に亡くなった。当時は病死とされ、司法解剖は行われなかった。

 一連の事件を受け、警視庁が両被告から押収したスマートフォンやパソコンを解析した結果、17年8月以降、ネット通販でエチレングリコールを複数回、購入していたことが判明。病院に残されていた勇さんの生前の血液や血液検査の数値を分析したところ、エチレングリコール摂取後の変化の特徴と一致したという。

 勇さんは台東区で皮革加工会社を経営し、浅草地区で観光客向けのホテルも運営していた。死亡前後に健一被告が社長に、志保被告が役員に就いて経営を引き継いでいた。

 夫婦は昨年3月に次女の美輝(よしき)ちゃんを、18年4月頃には健一被告の姉の細谷美奈子さん(当時41歳)をそれぞれ殺害したとして、今年2〜3月に逮捕された。鑑定留置を経て、いずれも美奈子さんへの殺人罪で9月に起訴されている。