山寺宏一

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 人気声優の中尾隆聖ら「声優有志の会」が15日、SNSの「NOMORE無断生成AI」というアカウントで動画を公開。無断で使用された生成AIによる被害や弊害について視聴者に訴えた。

【写真】怒りの表情で無断生成AIの被害を訴える声優有志たち

 X(旧ツイッター)の同アカウントでは「#NOMORE無断生成AI 無断で声を使われている、私たち声優の声を聞いてください。」と題して、約20秒の動画が公開。動画は「私の声が勝手に売られていたんです。驚きました」と中尾が語りはじめてスタート。「私たちの声は商売道具で、人生そのものです。無断で生成AIに使われている私たち声優の気持ちを聞いてください」と話し、梶裕貴や山寺宏一ら26人の声優陣が「NO MORE 無断生成AI」と声を合わせて訴える動画になった。また「本編は近日公開予定。」と、次回以降も活動を続けていくことも記した。

 この訴えかけは瞬く間に拡散され、10月16日19時までに1万以上のリポストがされた。16日にはアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズの碇シンジ役などで知られる声優の緒方恵美も、この動画を伝える記事の引用。「『亡くなった人のは聴きたい』『許してほしい』そんな声も聞こえてくる。気持ちはわかります。でも亡くなられた方でも『権利』は残してさしあげてほしい。(所属事務所なのかご遺族なのかその辺りは関係各所で探って頂けたら)」と切り出し、「声でも絵でも文章でも、好き勝手に、は、違う。」と同じ意思を示していた。

 以下は「NOMORE無断生成AI」のYouTubeチャンネル動画概要欄で発表された声明の全文。

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 私たちがやった覚えのない朗読や歌、そして声そのものが、ネット上に公開され、時に販売されています。

 私たちの声は商売道具であり、人生そのものであり、共に成長してきた大切な自分自身の一部です。
「この声をもっと聞きたい」と思ったファンがやってくれたことだとしても、無断で使われるのは、気持ちの良いものではありません。

 新しい技術は、これから私たち人間に大きな恩恵を与えてくれるでしょう。

 でも同時に、お互いの気持ちや、未来の文化のあり方まで視野を広げて、議論を重ね、みんなで技術の使い方を考えていきたい。そのきっかけとなるように、この動画を作りました。
傷つけ合う言動の応酬ではなく、平和的な認識のすり合わせのための議論を有識者も交えて行い、文化的なルール作りをしていきましょう。

 10年後20年後もずっと、良い作品を生み出す土壌を枯れさせないために。

(よろず~ニュース編集部)