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衆議院選挙は15日に公示され、16日から期日前投票も始まりました。「news every.」では「ひと目で分かる政策比較」と題して、選挙の争点の中で私たちの生活に身近なテーマを中心に政策の違いを伝えていきます。

食料品などさまざまな『値上げ』が続いていますが、16日は各党の『物価高対策』を日本テレビ政治部官邸キャップの平本典昭記者が詳しく解説します。

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政治部官邸キャップ 平本典昭記者
「各党の対策をまとめました。物価高対策は、消費税は維持、据え置いて『給付』に重点を置く政党と、『減税』に重点を置く政党とでまず大きくわけられると思います」

平本記者
「まず、自由民主党ですが『物価上昇を上回る賃上げ実現』を目指すとした上で、当面の対応として『低所得者世帯への給付金』を掲げています。公明党も『低所得者や年金生活者への給付金』を打ち出しています」

鈴江キャスター
「今まさに生活が苦しいよっていう人からすると、給付はいつごろを想定しているのか気になると思うのですが、そこについてはどうでしょうか?」

平本記者
「選挙戦で自由民主党は明確にしていません。しかし、去年、年末も低所得者世帯、住民税非課税世帯に10万円の給付を行いましたが、複数の政府関係者を取材すると、額や時期などはまだ明確には決まっていないんだけれども、ああいった政策が念頭にあるのではということです」

平本記者
「続いて立憲民主党です。立憲民主党は『分厚い中間層の復活』を掲げ、中低所得者を対象に税額控除と現金給付を組み合わせ、消費税の一部を還付する制度を導入するとしています。還付というのは一度、支払った消費税を払い戻すと、そういった意味です」

桐谷美玲キャスター
「払い戻すというのはどうやってやるんでしょうか?」

平本記者
「気になりますよね。その払い戻す手段も立憲民主党は具体的な説明はしていないんですが、取材をしていると聞くのは『買い物したレシートを確定申告で提出でもするのか』といった話を聞いたりもします」

桐谷美玲キャスター
「レシートを提出するとなると、それはかなりの手間がかかりますよね」

平本記者
「ですので、これも取材していると、制度設計に詳しい財務省関係者は、このレシートを提出するというのは、手間などを考えると『非現実的だ』と否定していました。立憲民主党は『迅速に、簡素』にと言っていますが、選挙戦では他の党から『一度、民主党政権時代に手続きが複雑だからやめたはずじゃないか』と批判が出ていました。立憲民主党には現実的なやりかたを説明してもらいたいですが、ある財務省幹部は立憲民主党の政策も『最終的には自由民主党と同じような低所得者向けの給付金となるのだろう』と話していました」

鈴江キャスター
「そして他の党は『減税』にスタンスがいっていますね」

平本記者
「そうですね。他の政党の多くは給付ではなく減税が中心です。日本維新の会は『消費税率の8%』へ引き下げ。さらに所得税と法人税の減税も打ち出しています。日本共産党は『廃止を目指し、当面5%に引き下げる』としています。国民民主党は『実質賃金がプラスになるまで時限的に5%に引き下げる』としています。れいわ新選組は『消費税廃止』を訴えています。社民党は『3年間消費税ゼロ』。参政党は『消費減税と社会保障の最適化』を主張しています」

鈴江キャスター
「野党は『消費減税』を訴える政党が多いですが、自由民主党などはなぜ、消費減税に反対の立場なのでしょうか?」

平本記者
「これはひとつ、『安定した財源』だという意味があると思います。日本の国の借金は1311兆円。実は利払いだけで1秒間に31万円が消えているという計算もあります。消費税は1%で約3兆円の税収がありますから、石破首相は少子高齢化で社会保障費も増える中、『安定的な財源が確保されなくなる』と消費減税を否定しています」

「物価高対策への有効な策は一体何なのか。仮に消費税を減税するなら、減った分の税収をどう補っていくのか、その代替案の説明も選挙戦では求められます」