通勤で毎日「片道10km」運転します。「カローラ」のハイブリッド車を検討していますが、何年乗ればガソリン車との“車両価格差”を、燃費の良さで取り戻せますか?

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車を購入する際に、燃費の良いハイブリッド車を検討する人も多いでしょう。ハイブリッド車は高燃費のためガソリン代を節約できますが、車両本体価格はガソリン車よりも高い傾向にあります。そのため、これから車を購入する際に「ハイブリッド車を購入したらどれくらいで元が取れるの?」と疑問に思う人もいるかもしれません。 本記事では、毎日通勤で片道10キロメートル運転する場合、カローラのハイブリッド車に何年乗れば、同じくカローラのガソリン車との車両本体価格の差を取り戻せるか解説します。

ハイブリッド車とガソリン車の車両本体価格はいくらくらい違う?

カローラの車両本体価格はグレードによって異なりますが、今回はスタンダードなモデルであるカローラXを参照します。
トヨタのホームページを見てみると、カローラXの車両本体価格(税込)は次のとおりです。

●ハイブリッド車 2WD:241万8600円
●ガソリン車 2WD:202万8600円

なお、これらの金額にはオプションや自動車重量税、販売諸費用などは含まれていません。純粋な車両本体価格としてはハイブリッド車のほうが39万円高い前提で、ここからの計算を進めます。
 

ハイブリッドとガソリン車の燃費の差

カローラXの場合、ハイブリッド車のほうがガソリン車よりも車両本体価格は39万円高いですが、燃費では優位性があります。具体的には、燃費はハイブリッド車が1リットルあたり30.2キロメートル、ガソリン車が19.4キロメートルです。(ともにWLTCモード)
ガソリン代は全国で異なりますが、今回は資源エネルギー庁が公開している全国レギュラーガソリンの平均価格を参考にします。それによると、全国レギュラーガソリンの平均価格は1リットルあたり174.8円です(9月30日時点).
走行距離は通勤で片道10キロメートルの往復20キロメートルを毎月20日運転し、休日は運転しない前提で計算していきます。
これらの前提において、ハイブリッド車、ガソリン車それぞれで1ヶ月に必要なガソリン代は次のとおりです。

●ハイブリッド車:174.8(円)×20(キロメートル)÷30.2(キロメートル/リットル)×20(日)=2315円
●ガソリン車:174.8(円)×20(キロメートル)÷19.4(キロメートル/リットル)×20(日)=3604円

ハイブリッド車のほうがガソリン車よりもひと月当たり1289円、ガソリン代が安くなります。
 

何年乗れば燃費で車両価格差をカバーできるか

ハイブリッド車とガソリン車との車両本体価格の差である39万円を今回の前提で燃費の差で取り戻そうとすると、計算上では25年とちょっとかかります。
1台の車を25年乗り続けることは一般的にはあまりないため、車両本体価格の差を燃費だけで取り戻すのは難しいかもしれません。
とはいえ、状況が変われば燃費だけで取り戻せる可能性もあります。例えば、今回は1日の走行距離が20キロメートルで計算しましたが、100キロメートルであれば、取り戻せる期間は5分の1の約5年になります。
 

燃費だけではないハイブリッド車のメリット

1日の走行距離が20キロメートル程度では、ハイブリッド車とガソリン車の車両本体価格の差を燃費だけで取り戻すことは難しいかもしれませんが、ハイブリッド車には燃費以外にもメリットがあります。
例えば、ハイブリッド車の場合は減税や補助金などの優遇措置が豊富です。トヨタの見積もりシミュレーションにおいても、カローラXの車両本体価格とは別の税金・諸費用については、ガソリン車が19万3300円なのに対し、ハイブリッド車は10万9000円です。ハイブリッド車にすることで、燃費以外でも、支出を減らせる可能性は十分あるでしょう。
また、ハイブリッド車はガソリン車よりも走行音が静かな点もメリットです。住宅街や早朝・深夜の走行でも安心して利用できるでしょう。
 

まとめ

カローラXの場合、毎日片道10キロメートルの通勤のみの使用では、ハイブリッド車の車両本体価格の差を取り戻すのは25年程度かかってしまいます。
しかし、通勤距離がもっと長い場合や、優遇措置などを考慮すると、回収年月は縮まります。
気になる人は本記事を参考に、どれくらいで車両本体価格の差を取り戻せるのか計算してみてください。
 

出典

トヨタ自動車株式会社 トヨタ カローラ 価格・グレード
経済産業省 資源エネルギー庁 石油製品価格調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー