「南海トラフ巨大地震」が起きたら、「絶望的な揺れ」が襲う「愛知県」の地名

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30年以内に70〜80%と、高い確率で発生が予測されている「南海トラフ巨大地震」。もし発生すれば、西日本全域を巻き込む超巨大災害となる可能性があるとされている。その被害予測は、東日本大震災の10倍ともいわれており、まさに「未曽有の国難」といえる事態になるだろう。

東日本大震災では「津波」が大きな被害を出したことが注目された。もちろん、「南海トラフ巨大地震」でも、最大で34メートルともいわれる津波が太平洋沿岸を襲うことが予測されており、その被害は甚大なものになるだろう。だが、「南海トラフ巨大地震」で恐ろしいのは津波だけではない。「津波」の前に来る「揺れ」そのものが非常に激しく、大きな被害を出すことが予測されているのだ。

では、そのとき具体的にはどのような事態に陥ることが予測されているのだろうか。内閣府の「南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ」が発表している被害想定をもとに見ていきたい。

なんと21府県で「6強」

内閣府防災担当が平成24年に発表した「南海トラフの巨大地震による津波高・浸水域等(第二次報告)及び 被害想定(第一次報告)について」という資料によると、「南海トラフ巨大地震」が発生した場合、

・震度6弱が想定される地域は、21 府県 292 市町村(21 府県 292 市町村)

・震度6強が想定される地域は、21 府県 239 市町村(21 府県 242 市町村)

・震度7が想定される地域は、10 県 151 市町村(10 県 153 市町村)

注)( )内は、3月31日の前回推計(第一次報告)

注)市町村数には、政令市の区を含む

とされている。

かなり広範な地域で最大級の揺れが襲うことが予想されているが、やはりなんといっても被害が大きくなることが予想されるのが東海地方だ。

ここでは、愛知県の場合を見ていきたい。

愛知県では

では、具体的に愛知県の中で「震度7」が予測されている地域とはどこなのだろうか。「市町村別最大震度」の資料を見ていこう。

この資料では、「南海トラフ巨大地震」を様々なケースに分けて震度を想定している。今回は、最も被害が大きくなる「最大値」の数字を見ていくことにしたい。

「震度7」が予測される具体的な地名は次の通り。

・愛知県名古屋市港区

・愛知県豊橋市

・愛知県岡崎市

・愛知県半田市

・愛知県豊川市

・愛知県碧南市

・愛知県刈谷市

・愛知県安城市

・愛知県西尾市

・愛知県蒲郡市

・愛知県常滑市

・愛知県新城市

・愛知県東海市

・愛知県知多市

・愛知県知立市

・愛知県高浜市

・愛知県田原市

・愛知県海部郡飛島村

・愛知県知多郡阿久比町

・愛知県知多郡東浦町

・愛知県知多郡南知多町

・愛知県知多郡美浜町

・愛知県知多郡武豊町

名古屋市の港区に加えて、豊橋市や岡崎市など、都市部が大きな被害を受ける可能性が高いことが見て取れる。また、揺れに加えて津波の被害も予想される。

しかし、だからといって絶望するわけにはいかない。今からでもできる対策は少なくない。水や食糧の備蓄、家具の固定など、備えをしておけばそのとき生き残れる可能性は大きく上がる。その時に備えて、対策を怠らないようにしたい。

さらに連載記事<「南海トラフ巨大地震」は必ず起きる…そのとき「日本中」を襲う「衝撃的な事態」>では、内閣府が出している情報をもとに、広範に及ぶ地震の影響を解説する。

「南海トラフ巨大地震」は必ず起きる…そのとき「日本中」を襲う「衝撃的な事態」