通年で「路上飲酒禁止」になった「渋谷」だが…職員の努力むなしく「お酒を片手に騒ぐ外国人」が相次ぐ

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職員がいないところで

新型コロナが5類に移行されてから、渋谷駅周辺では若者や外国人による路上飲酒が常態化しており、空き缶などのゴミや飲酒を巡るトラブルが後を絶たなかった。

その状況を問題視した渋谷区は、今年6月に区議会で条例を改正。罰則などは設けないものの今月の1日から路上の飲酒を通年で禁止することを宣言した。都内では初めて路上飲酒が通年で禁止されることになる。

これまでハロウィン期間などに路上飲酒が禁止されていたエリアは、ハチ公周辺やセンター街などのとくに混雑するエリアのみ。それが、今回の条例改正で渋谷公園通りや宮下公園周辺も範囲に含まれるようになった。

今回の条例改正で路上飲酒はどれくらい減るのか。

通年で路上飲酒が禁止されてから初めての週末に渋谷に行ってみたところ、区の職員がパトロールをしており、路上飲酒をしている若者や外国人からお酒を没収している様子があちこちで見られた。

しかし、職員のいないところでは、外国人たちが路上で飲酒を楽しんでいる様子が途絶えることがなかった。こんな状況で本当に路上飲酒をなくすことはできるのか。実際にパトロールしている区の職員に話を聞くと、苦しい現状が伝わってきた。

「路上飲酒が禁止の時間帯である夕方18時から翌朝の5時まで18人でパトロールしていますが、禁止の区域が広いのでどうしても目が届かないところもあります。また、路上飲酒禁止のポスターや掲示をもっとやりたいのですが、なかなか建物のオーナーからは許可をもらえていません。本当は罰金などの罰則を設けたほうがいいとは思うんですが、人材不足でそれも難しいという状況です」

昨年のハロウィン期間はコンビニなどでお酒を販売しないよう呼びかけ、お酒の棚がシートで覆われるなどの対策が取られたが、通年でその対策をお願いすることはコンビニの経営も考えると難しいのだという。

「路上飲酒パトロール」の対策がSNSで共有されている!?

実際、初めての週末ということもあり多くの人からお酒を没収していた区の職員たち。しかし、どうしても路上でお酒を飲みたいと考える人もいるようで、一部のSNSユーザーはお酒を飲む方法を紹介し、批判されている。

「今回の条例では路上での飲酒を禁止するものなので、飲食店やコンビニなどの軒先や店舗のスペースで飲酒していた場合、職員側は何もできないんです。なので、職員が近づいてきたら軒先などのスペースに逃げ込むという方法が紹介されていました。

また、缶やビンがお酒であるとわかりにくくするためにカモフラージュするという方法も紹介されていました」(全国紙社会部記者)

路上飲酒をしても缶やビンを渡すようお願いされるだけで罰則があるわけではない。ただ、罰則がないからといって、条例を守らなくていいわけではない。

渋谷が安心・安全な街であり続けるためにも、街で過ごす人々の協力が欠かせないのではないだろうか。