1ドル=147円台をつけた円相場と日経平均株価の上昇を示すボード(3日、東京都中央区で)

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 3日の東京金融市場は、石破首相が前日に日本銀行の追加利上げに慎重な姿勢を示したことを受け、円安・株高が進んでいる。

 円相場は一時、1ドル=147円20銭台まで下落し、約1か月ぶりの円安水準となった。日経平均株価(225種)は一時、前日終値比1000円超上昇した。

 東京外国為替市場の円相場は前日午後5時、1ドル=144円05〜08銭で大方の取引を終えており、3円以上の円安・ドル高が進んだ。対ユーロでは、2円70銭程度円安・ユーロ高の1ユーロ=162円前後で取引されている。

 首相は2日、日銀の植田和男総裁との面会後、記者団に「追加の利上げをするような環境にあるとは考えていない」と語った。日銀は段階的な利上げを検討しており、市場では首相が日銀をけん制したとの見方が広がった。

 2日に発表された米国の雇用者数の増加幅が市場予想を上回り、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げペースが想定よりも緩やかになるとの観測も出た。当面は日米の金利差が縮小しにくいとの見方から、運用に有利なドルを買い、円を売る動きが強まった。

 急速な円安を受け、3日の東京株式市場はほぼ全面高の展開となっている。円安が業績の追い風となる自動車や電機といった輸出関連銘柄が大きく値上がりしている。日経平均の午前の終値は、前日終値比846円27銭高の3万8655円03銭だった。