北海道・礼文島付近の領空を侵犯したロシア軍の哨戒機=9月23日(防衛省統合幕僚監部提供)

 【モスクワ共同】ロシア外務省のザハロワ情報局長は2日、ロシア軍の哨戒機が9月23日に北海道・礼文島付近の領空を3度にわたり侵犯したと日本政府が発表したことについて「ロシア側は主張の根拠を確認する情報を持ち合わせていない」と述べ、侵犯を否定した。日本政府の発表後にロシア政府が公式見解を表明したのは初めて。

 オンライン記者会見で共同通信の質問に答えたザハロワ氏は「日本側が外交ルートを通じてわれわれに抗議しようとしたが、抗議を退けた」と主張した。

 日本政府の発表によると、ロシア軍の哨戒機1機の領空侵犯を受けて、航空自衛隊のF15戦闘機とF35戦闘機が緊急発進(スクランブル)し、警告として赤外線誘導ミサイルなどをかく乱する「火炎弾(フレア)」を発射した。対領空侵犯措置で空自機がフレアを発射したのは初めてだった。

 1日に発足した石破茂首相の新内閣は、2016年の安倍政権時代から経済産業相が兼務してきた「ロシア経済分野協力担当相」の設置を見送った。

ロシア外務省のザハロワ情報局長=9月、モスクワ(タス=共同)