イスラエル、国連事務総長を入国禁止に イラン攻撃巡る姿勢を批判

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[エルサレム 2日 ロイター] - イスラエルのカッツ外相は2日、イランによるミサイル攻撃を「明確に」非難しなかったとして、国連のグテレス事務総長を入国禁止にすると発表した。

イスラエルとレバノンの親イラン武装組織ヒズボラの戦闘が激化する中、イランは1日、イスラエルに向けて180発以上の弾道ミサイルを発射した。

イランのミサイル攻撃に対して事務総長は1日、「中東での最新の攻撃」に言及した短い声明を発表、紛争の拡大連鎖を非難した。

外相はイランを非難しなかった事務総長を「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」に指定。「イランによる攻撃を明確に非難できない者はイスラエルの地を踏む資格はない」と指摘。

その上で「グテレス事務総長の有無にかかわらずイスラエルは自国民と国家の尊厳を引き続き守る」と述べた。

米国務省のミラー報道官は記者会見でこの措置について聞かれ、「世界における(イスラエルの)地位向上に有益な措置ではない」と指摘。「国連はパレスチナ自治区ガザや中東地域で非常に重要な仕事をしている。国連が最善を尽くせば、安全と安定のために重要な役割を果たすことができる」と述べた。

国連のデュジャリック報道官は、イスラエルの発表は政治的だとし、国連は伝統的にペルソナ・ノン・グラータの概念が職員に適用されることを認めていないと述べた。

グテレス事務総長は2日の安全保障理事会で、「4月のイランの攻撃に関して述べたように、また昨日表明した非難の文脈で明らかであったように、私は昨日のイランによるイスラエルへの大規模なミサイル攻撃を改めて強く非難する」と述べた。