亡くなった唐沢俊一氏(写真・保坂駱駝)

 9月30日、コラムニスト・唐沢俊一さんの訃報が伝えられた。実弟で漫画家の唐沢なをき氏が、同日のXで《9月24日、唐沢俊一心臓発作により自宅で亡くなりました》と報告。孤独死だったという。

 これを受け、ネット上では故人へのさまざまな思いが投稿されたが、そんななか、ひと波乱が――。

 高須クリニック院長で知られる、高須克弥氏が、30日、Xで唐沢さんとのダイレクトメッセージのスクリーンショット画像とともに《唐沢俊一先生。僕の関係のある借金は全て香典として処理いたしました。安心して旅立ってください。ボンボヤージュなう》とポストしたのだ。

 公開されたメッセージ画面では、唐沢さんが《詐欺被害と母の遺産相続の争いとで丸裸にされました》とつづっており、窮状がうかがえる。

 高須氏なりに、哀悼の意を表したのだろうが、X上ではこのDM公開に疑問の声が相次いでいる。

《死後に金の無心をしてるDMを晒されるのキツいな》

《晒し首かよ》

 唐沢氏は “雑学王” として知られ、2000年代には人気バラエティ番組『トリビアの泉〜素晴らしきムダ知識〜』(フジテレビ系)の監修(スーパーバイザー)も務めていた。

 しかし、晩年はかなり経済的に困窮していたという。サブカルチャー系のフリーライターが語る。

「唐沢さんは、自身のアカウント上でカンパを呼びかけていたほか、原稿料の前払いを受けたのに書籍を執筆しない出版トラブルも取り沙汰されていました。弟のなをきさんも《晩年は金の無心も酷かったです》と振り返っています」

 ただ、X上では《血も涙も無い鬼畜のようなDM開示ツイートだと思うけど、その一方であの唐沢俊一のことだから、あの世から喜んでいるんじゃね、とも思う。複雑》といった反応も。

「唐沢さんは、2010年に自宅で刺殺された鬼畜系ライター・村崎百郎さんと時事ネタ放談『社会派くんがゆく!』をおこなっていました。そこでは、不謹慎と批判されかねない発言を連発していたので、高須さんの行為を肯定的にとらえる声も少なくありません」(前出・サブカル系ライター)

 一方で、高須氏の行為に対し、別の面からも称賛が寄せられている。実は、故人に借金があった場合、遺族は3カ月以内に「相続放棄」の手続きをしないと、遺産だけでなく借金も引き継ぐことになる。そのため、

《遺産相続権者は遺産放棄手続きをしないと借金が相続されちゃうんですよね…うっかり手続きを忘れた相続権者の為にも、良い事をされました》

《私は遺族に請求しませんよとネットに書いただけで、全額肩代わりは寛大すぎますよ!》

 との声も――。

 唐沢氏は、Xで《私も死んだら墓の中で大人しくしてます。ご安心を。》(2021年12月5日)と語っている。天国で、現世の騒動を笑って眺めているのかもしれない。