「来年の韓日国交正常化60周年に弾み」石破茂首相に大きな期待を寄せる韓国の“根拠”とは

写真拡大 (全2枚)

自民党の石破茂新総裁が10月1日、日本の第102代首相に選出された。

【注目】日本と対照的…韓国大統領の支持率が過去最低に

石破総裁は同日午後、徳仁天皇から首相任命書を受け取り、新内閣を正式に発足させた。

NHKによると、石破総裁はこの日の衆議院本会議で行われた首相指名選挙において、与党の自民党と連立与党の公明党の支持を得て過半数の票を獲得し、首相に指名された。参議院は午後の本会議で石破総裁を正式に首相として確定した。

自民党は公明党とともに、衆議院と参議院の両院で過半数の議席を占めているため、石破総裁が異変なく新首相に選出された。

選出後、石破首相は公明党代表の石井啓一と会談し、新内閣の閣僚名簿を発表。その後、天皇の住居である皇居で徳仁天皇から任命を受ける親任式と閣僚認証式を経て、自民党と公明党による石破内閣が発足した。

歴史認識で「ハト派」と評価
(写真提供=代表撮影/ロイター/アフロ)石破茂首相

石破首相は、過去の歴史認識において「ハト派」と評価されている。

自民党内の「非主流派」として、歴史修正主義的な傾向を象徴する故・安倍晋三元首相の政策に批判的な立場を取ってきた。特に韓日間の歴史問題について、石破首相は有力政治家としては珍しく、日本の責任を認める趣旨の発言をしてきた。

2019年に韓国政府が韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を延長しないと発表した際、ブログで「我が国が敗戦後、戦争責任と正面から向き合わなかったことが多くの問題の根底にあり、それが今日、様々な形で表面化している」と述べたことがある。

韓国最高裁による強制徴用賠償判決についても「判決は国際法的に間違っている」としながらも、日本が植民地支配と侵略の歴史を認識する必要があるとの立場を示している。また、太平洋戦争のA級戦犯が合祀された靖国神社に対しても否定的な立場を取り、参拝していない。

こうした動きを見ると、石破政権下での韓日関係は穏やかな雰囲気の中で協力関係を示す可能性があり、来年の韓日国交正常化60周年を前に進められる各種協力事業に弾みがつくことが期待されている。

現在までの現地メディアの報道などで明らかになった石破内閣の顔ぶれを見ると、石破首相は自身の側近を多く起用する一方で、総裁選挙の決選投票で彼を支持した岸田文雄前首相や菅義偉元首相の側近にも配慮する見込みだ。官邸のナンバー2である官房長官には「岸田派」出身の林芳正が再任された。

早期総選挙の実施

石破首相は、首相就任と内閣の構成を終えた後、早期総選挙を実施して「裏金スキャンダル」で急落した党の支持基盤を再構築する方針だ。

彼は前日の記者会見で「新政権は可能な限り早く国民の審判を受けることが重要だ」と述べ、衆議院を早期に解散し、総選挙を実施する計画を明らかにした。また、この日の午前中、党本部で記者団に対して「国民と正面から向き合い、誠心誠意で話し、理解を得る」と語り、「逃げない内閣、実行する内閣になる」と宣言した。

石破首相は10月15日に衆議院選挙の告示を行い、10月27日に投票と開票を行う計画だ。前任の岸田文雄前首相の自民党総裁任期満了に伴い、岸田内閣はこの日午前に総辞職した。

岸田前首相の在任日数は1094日で、戦後8番目に長い期間の在任となった。

(記事提供=時事ジャーナル)