山田祥平のニュース羅針盤 第457回 Pixel Watch 3はうまくサボってバッテリ駆動時間を改善
Google Pixel Watch 3が発売された。Googleのスマートウォッチのシリーズで、すでに三世代目となる製品だ。今年は、従来の41ミリ径モデルに加えて45ミリ径モデルが追加されている。
より大きくなった文字盤は、多くの情報を明確に表示することができ、複雑化するスマートウォッチの情報表示をよりわかりやすくしてくれる。従来と同じ41ミリ径モデルも、ベゼル幅が縮小し、表示面積が10%広がり、以前のモデルよりも視認性が高まっている。
ウェアラブルデバイスは、寝るときもつけているのが望ましいので、多少小さい方がいいという声もよくきくのだが、通知の表示などが頻繁に表示されることを考えると、やはり大きくて一度に表示できる情報量が多いのはうれしい。
明るさも以前のモデルの2倍になったという。だから炎天下のもとでも比較的高い視認性を確保できている。
Pixel Watch 3を装着したところ。従来よりも表示エリアが広がり、より多くの情報を得られる
○スキを見てバッテリ消費を節約するPixel Watch 3
Pixel Wachは、バッテリ駆動時間が短い印象があったのだが、今年のモデルはそうでもないように感じる。乱暴な言い方をすればサボリ方がうまくなった。常時表示ディスプレイを有効にしても1日中使えることをめざしているし、実際、それができるようになった。
機械学習によって睡眠を検知し、自動的におやすみ時間モードが有効になるなど、スキを見てバッテリを節約しようとする。カタログスペックでは36時間のバッテリ駆動時間とされているし、実際、そのくらいもちそうな印象だが、やはり毎日の充電が望ましい。寝る前か起床後すぐに1時間ほど充電するといった習慣を定着させればバッテリ切れで特に困ることはなさそうだ。
○ランニング機能が進化。PCではデータが見られなくなった
前世代機と比べたとき、画期的な機能が加わったわけではない。ただ、細かいところで洗練度が高まっている。また、ランニング体験について、より包括的なサポートができるようになっている点が新しい。Fitbitサービスとの連携についても従来機同様だが、ランニングダッシュボードなどが追加され、ランニングスポーツにはより便利になっている。
Fitbitサービスは、スマートフォンで運動やヘルスヒストリーを確認できるのに加えて、パソコンの大きな画面にブラウザでサービスサイトを表示させ、自分の健康について事細かに分析することができるのがよかったのだが、数カ月前からPCブラウザがサポートされなくなってしまった。
今は、そのページを開いても、冷たく「Fitbitアプリで健康ダッシュボードをご利用ください」と表示されるだけだ。もちろん、パソコン用のアプリなど用意されているわけではない。結局は、iPhoneやAndroidスマートフォンのたかだか6インチ前後の画面で確認するしかない。これはとても残念だ。
○健康やスポーツ以外の機能が充実、真のスマートライフに
その一方で、健康やスポーツ以外の場面で各種のデバイスとの連携度は高まった。Google TVリモコンとして機能したり、スマホカメラの操作ができたり、レコーダーアプリを実行してメモの録音といったことができるようになった。
ふと思いついたメロディなどを鼻歌で録音したいニーズはミュージシャンを中心にかなり多いのだそうで、スマホだけではなく、時計でもそういうことができるというのは便利と言えば便利だ。
オフラインGoogleマップなどにも対応し、スマホでセットしたGoogleナビの案内が、地図とともに腕でもルートをガイドするなど、健康やスポーツにばかりとらわれずに、日常のスマートライフを懇切丁寧にサポートする賢い時計、まさにスマートウォッチという言い方がぴったりな製品に成長している。
かといってフィットネスについて手を抜いているわけではない。スマホで確認できるランニングのダッシュボードなどは実に美しくわかりやすいし、自分のフィットネスの役にたつ。だからこそ、ウェブの大きな表示で確認できるままでいてほしかった。
著者 : 山田祥平 やまだしょうへい パソコン黎明期からフリーランスライターとしてスマートライフ関連の記事を各紙誌に寄稿。ハードウェア、ソフトウェア、インターネット、クラウドサービスからモバイル、オーディオ、ガジェットにいたるまで、スマートな暮らしを提案しつつ、新しい当たり前を追求し続けている。インプレス刊の「できるインターネット」、「できるOutlook」などの著者。■個人ブログ:山田祥平の No Smart, No Life この著者の記事一覧はこちら
より大きくなった文字盤は、多くの情報を明確に表示することができ、複雑化するスマートウォッチの情報表示をよりわかりやすくしてくれる。従来と同じ41ミリ径モデルも、ベゼル幅が縮小し、表示面積が10%広がり、以前のモデルよりも視認性が高まっている。
明るさも以前のモデルの2倍になったという。だから炎天下のもとでも比較的高い視認性を確保できている。
Pixel Watch 3を装着したところ。従来よりも表示エリアが広がり、より多くの情報を得られる
○スキを見てバッテリ消費を節約するPixel Watch 3
Pixel Wachは、バッテリ駆動時間が短い印象があったのだが、今年のモデルはそうでもないように感じる。乱暴な言い方をすればサボリ方がうまくなった。常時表示ディスプレイを有効にしても1日中使えることをめざしているし、実際、それができるようになった。
機械学習によって睡眠を検知し、自動的におやすみ時間モードが有効になるなど、スキを見てバッテリを節約しようとする。カタログスペックでは36時間のバッテリ駆動時間とされているし、実際、そのくらいもちそうな印象だが、やはり毎日の充電が望ましい。寝る前か起床後すぐに1時間ほど充電するといった習慣を定着させればバッテリ切れで特に困ることはなさそうだ。
○ランニング機能が進化。PCではデータが見られなくなった
前世代機と比べたとき、画期的な機能が加わったわけではない。ただ、細かいところで洗練度が高まっている。また、ランニング体験について、より包括的なサポートができるようになっている点が新しい。Fitbitサービスとの連携についても従来機同様だが、ランニングダッシュボードなどが追加され、ランニングスポーツにはより便利になっている。
Fitbitサービスは、スマートフォンで運動やヘルスヒストリーを確認できるのに加えて、パソコンの大きな画面にブラウザでサービスサイトを表示させ、自分の健康について事細かに分析することができるのがよかったのだが、数カ月前からPCブラウザがサポートされなくなってしまった。
今は、そのページを開いても、冷たく「Fitbitアプリで健康ダッシュボードをご利用ください」と表示されるだけだ。もちろん、パソコン用のアプリなど用意されているわけではない。結局は、iPhoneやAndroidスマートフォンのたかだか6インチ前後の画面で確認するしかない。これはとても残念だ。
○健康やスポーツ以外の機能が充実、真のスマートライフに
その一方で、健康やスポーツ以外の場面で各種のデバイスとの連携度は高まった。Google TVリモコンとして機能したり、スマホカメラの操作ができたり、レコーダーアプリを実行してメモの録音といったことができるようになった。
ふと思いついたメロディなどを鼻歌で録音したいニーズはミュージシャンを中心にかなり多いのだそうで、スマホだけではなく、時計でもそういうことができるというのは便利と言えば便利だ。
オフラインGoogleマップなどにも対応し、スマホでセットしたGoogleナビの案内が、地図とともに腕でもルートをガイドするなど、健康やスポーツにばかりとらわれずに、日常のスマートライフを懇切丁寧にサポートする賢い時計、まさにスマートウォッチという言い方がぴったりな製品に成長している。
かといってフィットネスについて手を抜いているわけではない。スマホで確認できるランニングのダッシュボードなどは実に美しくわかりやすいし、自分のフィットネスの役にたつ。だからこそ、ウェブの大きな表示で確認できるままでいてほしかった。
著者 : 山田祥平 やまだしょうへい パソコン黎明期からフリーランスライターとしてスマートライフ関連の記事を各紙誌に寄稿。ハードウェア、ソフトウェア、インターネット、クラウドサービスからモバイル、オーディオ、ガジェットにいたるまで、スマートな暮らしを提案しつつ、新しい当たり前を追求し続けている。インプレス刊の「できるインターネット」、「できるOutlook」などの著者。■個人ブログ:山田祥平の No Smart, No Life この著者の記事一覧はこちら