2024年のアメリカ大統領選に向けて、カマラ・ハリス副大統領の陣営とドナルド・トランプ前大統領の陣営が激しく火花を散らす一方、自分たちに有利な状況を作るために諸外国も暗躍しています。すでにイランがトランプ陣営を標的にした攻撃を行っていることが報告されていますが、一方のハリス陣営に対してはロシアのサイバー攻撃が行われているとMicrosoftが報告しています。

Russian election interference efforts focus on the Harris-Walz campaign - Microsoft On the Issues

https://blogs.microsoft.com/on-the-issues/2024/09/17/russian-election-interference-efforts-focus-on-the-harris-walz-campaign/



Russia amplifies disinformation campaigns against Harris-Walz campaign, Microsoft warns

https://www.axios.com/2024/09/17/harris-elections-russia-disinformation-microsoft

Microsoftの脅威分析センターによると、2024年大統領選を巡るロシアの動きは、バイデン大統領が選挙戦を離脱した後、一時的に不明瞭になっていましたが、2024年8月下旬から、カマラ・ハリス副大統領の信用を失墜させるようなフェイク映像の拡散が始まったそうです。

Microsoft脅威分析センターは具体的に、密接に追跡している攻撃者「Storm-1516」と「Storm-1679」の事例を報告しています。



報告によると、Storm-1516はハリス氏の支持者がトランプ氏の集会参加者を攻撃するフェイク動画や、ハリス氏がひき逃げに関与したと俳優が主張するフェイク映像を作成・拡散していたとのこと。後者の映像は、サンフランシスコの地元メディアを装ったサイトを通じて流布されていました。

また、Storm-1679はハリス氏の政策について虚偽の主張を宣伝するニューヨーク市の広告塔を描いたフェイク動画などを作成・拡散しました。動画はTelegramで公開されたのちX(旧Twitter)に転載され、4時間で10万回以上再生されたとのこと。

投票日が近づくことで攻撃はさらに強まると予想されており、Microsoftは大統領選を諸外国の影響から守るために、制裁対象となっている政府機関が作成したメールアドレス20件以上を無効化しています。

さらに、攻撃はイランとロシアによるものだけにとどまらず、Storm-1852として識別されている中国とつながりのある活動家が、バイデン政権とハリス氏の選挙活動を批判する短編映像制作に乗り出していることがわかっています。

Microsoftは「特定の候補者や政党を支持することはない」と前置きしつつ、諸外国からのあらゆる形態の干渉から政府を保護するために今後もレポートを発信していくと述べました。