この記事をまとめると

■クルマのシートは汚れが付着しダニの温床になっている

■酷暑下では汗汚れがシートに染み付いている

■夏の終わりにこそやるべき車内の清掃方法を解説する

厄介なシートの手入れ方法はこれだ!

 クルマのボディを頻繁に洗車し、綺麗にしている人は多いはずだが、室内の掃除をマメに行っている人は少ないかも知れない。ところが、だ。クルマの室内には想像以上の汚れ、堆積物が潜み、皮脂や食べこぼしなどによってダニの温床になっていることもあるから怖い(痒い)。夏休みにドライブの機会が増えていたとしたら、なおさらである。

 ところで、今年の夏の酷暑下では、屋外駐車しているクルマに乗り込む際、車内がサウナ……もしくはオーブンのなかのように暑かったはずだ。で、乗り込んでエアコンが利くまで乗員は汗びっしょり……なんていうことも。

 ということは、シートの座面と背もたれにも、汗がびっしり染みついているのである。白いワイシャツの襟元や脇の下、背中に汗染みが付くのと同様に、シートにも汗汚れが付着している。放置しておくとシート地の変色、悪臭の原因になるから大変だ。

 つまり、夏の終わりこそ、車内クリーニングの絶好のタイミングだと考えたい。ここでは布シートに限定し、効果的なクリーニング方法を紹介したい。用意するのは掃除機、ソフトブラシ、タオル数枚、布製シートクリーナーなどだ。

 クルマ専用のシートクリーナーには、ブラシ付き、マイクロファイバークロス付きのものもあるから効率的、便利に使える。

 まずは車内の換気から。晴れた日にすべての窓を開け(可能ならすべてのドア、バックドアも開け放つ)、換気して車内にこもった空気を外へ逃がしてからスタートだ。

 今回は布製シートの重点的クリーニングということで、セオリーどおり、シートの掃除機がけから始めるのだが、ただ掃除機がけをすればいいってもんじゃない。

 布製シートはその内部、隙間にまでホコリや食べこぼしなどが入り込んでいるため、表面の汚れを吸い取るだけでなく、内部に潜んだホコリ、食べこぼし、ダニなどを強力に吸い取ってやる必要がある。もちろん、マスク着用で行い、同時に舞い上がったホコリなどを横から掃除機で吸い取っていくのがベスト。

 とくにシートの縫い目、合わせ目の凹部にはホコリ、食べこぼしが詰まっているはずだから、ここはブラシを併用し、凹部に詰まった、ホコリ、食べこぼしをかき出すようにブラッシングしつつ、掃除機で吸い取ってやるといい。

優しく念入りに行うのがキモ

 そしていよいよ夏の汗汚れのクリーニングである(その他の汚れを含む)。車内専用の布シートクリーナーをスプレーし、汚れが浮き上がってきたところを見計らい(クリーナーの白い泡が茶色くなることも)、綺麗なタオルで拭き上げるだけ。

 ただし、力を入れすぎて拭いたり、シートを布地の織りに沿って優しく拭き上げないと布シート素材が痛み、毛羽立つこともあるから要注意である。

 マメに手入れをしていない布シートだと、綺麗だったタオルが茶色になるぐらい汚れていくはず。もちろん、拭きあげ用のタオルは折って使い、常にきれいな面で拭き上げることがポイント。

 汚れた面で拭き続けると、かえって汚れをシートに再付着させてしまう。車内専用の布シートクリーナーを使うことで、汚れが落ちるだけでなく、車内の清潔臭が漂うメリットもある。

 繰り返すけれど、今年の夏の暑さで布シートは乗員から噴き出した汗まみれになっている。放置すると、汗汚れの付着、変色、悪臭の付着など、ロクなことはないので、いち早く対処してほしい。シート座面、シートバックに加え、頭皮から出た汗、毛髪汚れがべったり付着、染みついているヘッドレスト(布地)のクリーニングもお忘れなく! なお、ここまではすべてのウインドウを開けっぱなしにして風通しをよくして作業してほしい。車内の空気もすっきり、クリーンになるはずだ。

 ちなみに筆者のクルマはパンチングレザーの本革シートだが、そういったシートのクリーニングはブラッシングを併用する掃除機がけまでは布シート同様。その後、自動車メーカー純正のレザーシートクリーナー&トリートメントをごく柔らかい布に付けて拭き上げ、汚れ、汗などを拭き取るようにしている。同時に、レザーに潤いを与えてくれる効果も期待できる。

 こうした継ぎ目(縫い合わせ目)が多いシートは、布シート、レザーシートを問わず、凹み部分の掃除機がけとブラッシングは不可欠だ(写真を撮ったら、あらら、凹み部分に汚れが……)。

 今回は室内クリーニング方法をシートにフォーカスして紹介してきたが、最後に、もとから落ちている、そしてシートクリーニング中にフロアに落ちたホコリ、汚れ、食べこぼしなどを掃除機で吸い取ってやって、初めて完成、終了である。

 とくに海、砂浜にドライブしたクルマはそこを怠らないように。塩分を含んだ砂汚れがフロアに落ちたままだと、錆発生、異臭の原因になりかねないからだ。そうそう、ペットを乗せている布製シートも要念入りに、である。