24年間もセルタに籍を置いたマジョ。昨年夏の退団後はブラジル、ギリシャと渡り歩いている。(C)Getty Images

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 世界でも類をみない、前代未聞の事件に判決が下された。

 スペイン出身で現在アリス(ギリシャ)でプレーするウーゴ・マジョが渦中の人物だ。現在33歳のDFはセルタ(スペイン)に所属していた2019年4月、エスパニョール戦で目を疑う蛮行に及んだ。試合開始前に両選手がハイタッチを交わすなかで、マジョはホームチームであるエスパニョールの鳥マスコット“ペリカ”の胸を触ったのである。
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 スペイン全国紙『MARCA』などによると、マジョはその際に「オスなのか、メスなのか?」「おっぱいはあるのか?」などと呟いて本体の中にまで手を入れてきたという。ペリカの中にいた女性は翌日に警察に通報。裁判は一度やり直されるなど紆余曲折を経て、ついに現地9月12日に判決が下された。

 マジョは「中に女性が入っていたとは知らなかった」「単に挨拶をしただけだ」などと主張したがいっさい認められず。性的虐待を犯した罪で有罪となり、損害賠償1000ユーロ+罰金6000ユーロ(1日100ユーロ×20か月分)の合計7000ユーロ(約109万円)が科された。マジョ側は控訴に踏み切る予定だという。
 
 判決を受けて、これまで匿名で裁判を見守っていた被害女性が実名を明かし、地元メディアの取材に応じた。カルメ・コマさんは「本当にショッキングな出来事でした。怒りと嫌悪で抑え切れなくなり、通報しなければいけないと感じてすぐ行動に移したのです」と当時を振り返る。そして「彼を押しのけようとしたけどダメで、『このクソ野郎!』と叫びもしましたね。彼はたしかに私の胸に触れた。悪ふざけで許されるものではありません」と断じた。

 さらにコマさんは「2万の観衆の前で起こり、証拠のビデオまであった。それなのにまだ私の言葉に疑念を抱くひとがいたのは残念でした」と、裁判が長期に至った事実に疑問を呈した。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部