「血栓症」を放置するとどうなるかご存知ですか?予防法も解説!【医師監修】

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血の塊が血管内を塞いでしまう血栓症は、発症部位によってさまざまな病気が引き起こされます。ときには命を脅かすことでも知られ、不安に感じている方も少なくないでしょう。

突然発症するため、予防に努めることが重要になります。そのためにも血栓症について基本的なことを知っておくことが大切です

この記事では、血栓症の種類・原因・症状・できやすい人の特徴・治療方法・予防方法まで詳しく解説いたします。ぜひ参考にしてください。

≫「心筋梗塞の前兆となる3つの初期症状」はご存知ですか?医師が徹底解説!

※この記事はMedical DOCにて『「血栓症」を発症すると現れる初期症状・原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)

名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。

血栓症の再発と予防

再発するのでしょうか?

血栓症は再発するケースも少なくありません。持病や生活習慣病などで血液がドロドロ・血管がボロボロになりやすい人は、元々の病状を改善しなければ発症しやすいままだといえます。運動量が少ない人・飛行機や高速バスに乗る機会の多い人・座りっぱなしの仕事をしている人なども、血流の悪化を防ぐ習慣をつけなければ発症リスクは高いままです。
血栓症は一度の発症でも命を落とすケースもあります。助かったとしても、機能障害が残る場合も少なくありません。再発を繰り返すことで機能障害も進展してしまうため、注意が必要です。

血栓を放置するリスクを教えてください。

血栓は命を脅かすことも少なくありません。脳梗塞・心筋梗塞などの場合、少しでも早く医療機関で治療を受けることが助かる可能性を上げるためにとても重要です。下肢に症状が現れる深部静脈血栓症なら、放置しても命にかかわることはないように思えるかもしれません。しかし、放置することで滞った血流により皮ふが茶色に変色してしまったり、潰瘍となったりするケースがあります。
血管内から剥がれ落ちた血栓が体内を移動し、肺塞栓症・心筋梗塞・脳梗塞などに発展する可能性もあるため注意してください。疑われる症状が現れた場合、放置せずに速やかに医療機関を受診することが大切です。

血栓症を予防する方法はありますか?

予防するためには、できやすくなる原因をできるだけ減らすことが重要です。血栓症の場合、血液や血管の状態が悪化すること・血流が滞ることを防ぎましょう。具体的には脱水状態にならないよう水分をしっかりとることや、体(特に下肢)をしっかりと動かして血流を良くすることがポイントです。
こまめな水分補給を心掛け、デスクワークや長距離移動中も足首など下肢を動かす・ときにはマッサージをしてみるなど対策を意識しましょう。持病や生活習慣病を持っている方は、病状の悪化により血管の状態も悪化する可能性があります。継続して治療を受け、健康的な生活習慣を心掛けることが血栓症の予防にもつながるでしょう。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

脳梗塞・心筋梗塞・肺塞栓症につながることもある血栓症はとても恐ろしい病気です。しかし、予防のためにできることはあります。こまめな水分補給や適度な運動習慣など根気が必要ではありますが、1つ1つは小さなことの積み重ねです。
できることから少しずつ改善し、健康な未来のためにも予防に努めましょう。万が一発症してしまったときは、発症部位にかかわらず速やかに医療機関を受診してください。

編集部まとめ


血栓症について、種類・原因・症状・できやすい人の特徴・治療方法・予防方法などをご紹介しました。

もし発症したときは、放置してしまうと発症部位にかかわらずとても危険です。血栓症が疑われる症状がみられた際は速やかに医療機関を受診しましょう。

発症してしまうと恐ろしい病気ではありますが、血栓ができやすくなる原因を知ることで予防にも役立てることが可能です。

適切な水分補給・適度な運動など、日常的な小さな積み重ねで未来の健康を守りましょう。

参考文献

「血栓症」を知ろう(千葉県医師会)

血栓症